土曜プレミアム

寺壁

土曜プレミアム
昨日、関西テレビ9時からの土曜プレミアムの「島根の弁護士」(主演:仲間由紀恵)を見ました。裏番組で、いつも見ているNHKの「新マチベン」(主演:渡哲也)とどちらにしようか迷ってけれども、両方とも弁護士ものだったけど、何となく「島根の弁護士」の方が面白そうだったので、そちらをチョイスしました。NHKのドラマは、やはりNHKの独特の雰囲気を感じるのは、何故でしょう。
あらすじは、島根は弁護士過疎地で37人しか弁護士がいない。その37番目の弁護士が仲間由紀恵の演ずる新米弁護士です。この新米弁護士が、業務上過失致死事件の示談交渉(身重の妻を持つ働きすぎの運送業の夫が、過積載の荷物の落下で人を死に至らしめる事件)、親権と離婚調停(ドメステックバイオレンスの夫と2人の子供を持つ妻(子供のうち1人を妻の過失で死なしてしまう。)との残った1人の子供の親権保持と離婚の争い)、そして、脳溢血で倒れた夫の介護疲れによる老妻の嘱託殺人事件の3つの事件を担当して、それぞれの事件を懸命に処理する過程をそれぞれの事件の持つ性格にフォーカスを当てて、社会派的な切り口で構成されている。
1つ目の事件は、被害者の母親の気持ちを懸命に宥恕するために示談の交渉をする。その時に、その母親の気持ちになり替って行動する。過失事件のもつ加害者と被害者の関係を赤裸々に訴える。つまり、被害者は加害者に実刑を求めるが、加害者は示談を成立させることにより執行猶予を求める。この時、加害者は、如何にして被害者の宥恕を得るかがポイントとなる。常に、事件には、加害者も被害者も、いろんな事情を抱えているものである。
2つ目の事件は、妻の過失で死なしてしまった子供の妻の過失を解明する。別れ話がこじれて、夫の暴力により気を失っている間の事故と判明する。
3つ目の事件は、検察は老妻の介護疲れによる咄嗟的な犯行を主張するが、犯行の状況から夫の嘱託行為があったことを主張し、嘱託殺人として執行猶予となる。まあ、これは、老妻の証言が大きな証拠であり、あとは、状況証拠であるため、少し、無理があるが、情状酌量から結論はそんなものなんでしょう。
いずれにしても、3つの事件を2時間の時間の中でうまく構成した番組だったと思う。
最後に、びっくりしたことは原作が「島根の弁護士」というコミックだということです。以前にも、書いた記憶があるけれど、いいドラマだと思うと原作がコミックということが何回かあった。今や文字・活字文化の代表である小説は、ドラマにもならないのか?昔で言えば、マンガである。マンガは、抽象的な思考能力を育てないと言われたものである。要するに、小説は、その場面を頭に想像しながら読むところに楽しさがあるが、マンガは、その場面が、具体的に絵として描かれている。
マンガ文化、コミック文化がこのまま隆盛を極めることで、よいのだろうか?最後に、ちょっと、考えさせられました。
それと、土曜プレミアム。最近、時々、いいドラマを放送しています。以前のサスペンスから、視聴者の嗜好が変わってきたのでしょう。時々、番組表を注意して見ています。