武士の一分

武士の一分

■武士の一分
今日は、午前中はテニススクールに行って一汗かいて帰宅し、昼食後、ソファーでうとりうとりしていたら、YさんがレンタルしてきたDVDをセットしたのでしょうか、その音楽が聞こえてきました。
薄目を開けてみると「武士の一分」のタイトル文字が見えたので、昨年の話題作でもあり、一度、見てみたいと思い、やおら起き上がり、久しぶりのDVD観賞となりました。何時もなら、休日の午後は競馬タイムですが、競馬の中止のお陰です。
「武士の一分」原作は、藤沢周平の「盲目剣谺返し」です。読んだことはありませんが、藤沢周平の本は、実家の本棚に並んでいた記憶があります。時代劇物は、歴史小説以外は、あまり読んだことがないので、興味も持っていなかったのですが、この映画を見て、ちょっと、実家に帰った時に拝借してこようかなと思いなおしています。
「武士の一分」(山田洋次監督)のストーリーは、次のとおりです。

藩主の毒見役を務める侍、三村新之丞(木村拓哉)は妻・加世(壇れい)と慎ましくも幸せに暮らしていた。だがある日、毒見の際に食べた貝の毒に中り失明してしまう。この一件から一時は絶望するも加世の支えもあり、光の無い世界に慣れてきたある日、加世と番頭・島田藤弥との不貞を知ってしまう。島田に体を預けることを引き換えに家禄を保ってきたことを知った新之丞は加世を離縁。その後、実は島田は加世を弄ぶために家禄を口実に加世を騙したことを知り、島田に対し、自らの「一分」を賭け果し合いに挑む。
結末は、果たし合いの結果、三村は島田の腕を切り落とし、島田は切腹。果たし合いの件は、沙汰やみとなり、加世が、三村の元に戻ってきてハッピーエンドでした。

率直に言って、面白かったし、ラストは、涙が流れてきました。
木村拓哉の演技より、壇れいと中間役の笹野高史の演技が光っていた。特に、壇れいの慎ましくも気概のある妻の役が、この映画を盛り上げています。
壇れい(兵庫県温泉町出身)は、宝塚のトップスターからの転身で、この映画が映画初出演だそうです。ちなみに、壇ふみとは縁戚関係はないそうです。これから、注目の女優さんです。
もう一つ、映画の助演賞は、「つがいの文鳥」でしょうか。
その意味は、DVDを見てのお楽しみです。すでに、見た方で、何故、と思う方がいるかもしれないので、私なりの種明かしをすると、ラスト前で「つがいの文鳥」の一羽が死んでしまいます。その時、私は「あ、あ、加世も命を絶ったのか」と思いました。ところが、そうではなく、加世は戻ってくるというところが、山田洋次監督のラストに向けてのトリックかなと勝手に思いましたが、如何でしょうか?原作もそうなっているのかも!
いずれにしても、原作も読んでみたいし、DVDもお薦めです。