安倍総理退陣に思う

安倍総理

安倍総理退陣に思う
9月12日午後2時安倍総理突然の引退会見。参議院選挙で自民党の惨敗で衆議院参議院でのねじれ現象。ニュースでは、インド洋における各国警戒船に対する給油を具体的な活動とするテロ特措法の延長時期が迫ってきたが与野党協議がままならずうんぬんなどを理由として報道。何が安倍総理を辞任に追い込んだかは、安倍総理自身のみが知るところでしょう。
臨時国会開会、所信表明演説、そして代表質問当日の辞任劇である。なぜ、今なのか?もっと早く決断することはできなかったのか?または、もっと、頑張れなかったのか?国会日程として、衆議院の優先権を活用する国会運営はできなかったのか?様々な疑問と憶測が飛び交う。
ここで、衆議院の優先権について紹介します。

国会の決議は原則として、衆議院参議院の両方が議案を可決することによって成立しますが、憲法は例外として衆議院の議決のみで国会の決議を成立させること(衆議院に優先権)を認めています。衆議院に優越が認められるのは、衆議院については解散があり、また、任期も参議院の6年に比べて衆議院では4年と短いことから、参議院よりも国民の意思により近いと考えられているからです。優越が認められるのは次の場合です。
・第60条1項 予算の先議権を独占していること
・第69条 内閣不信任決議権を独占していること
・第59条2項 法律案について、参議院で否決されても、衆議院で3分の2以上の多数で議決すれば、法律となること
・第60条2項 予算について両院協議会でも意見が一致しない場合は、衆議院の議決を国会の議決とすること
・第61条 条約について両院協議会でも意見が一致しない場合は、衆議院の議決を国会の議決とすること
・第67条2項 内閣総理大臣の指名について 両院協議会でも意見が一致しない場合は、衆議院の議決を国会の議決とすること

と言っても、安倍総理の辞任の事実は変わることはありません。
ここ1両日の報道を見ていると、12日は、辞任の衝撃、与野党のしかるべき人のコメント、辞任の理由などに終始し、そのなかでも、見識を疑ったのは、社会党の委員長女史。何時ものことであるが「仲良しクラブ内閣」「おぼっちゃんの我まま辞任」など政治家とは思えない見識のないコメントばかり。確かに、一国の総理として、無責任と言えばそのとおりであるが、この決断に一人の人間として、如何なる苦悩があったのか?それを思いやることさえ許されないのであろうか?
私は、山口県下関市出身で同郷(と言っても、安倍総理は下関で暮らしたことはない。)のよしみではないが、安倍総理に同情的にならざるを得ない。
今は、もう、安倍総理の辞任の理由などは、そっちのけで次期総理候補の話題で、自民党も、マスコミも、国民も、花盛りである。そんな世の中では、寂し過ぎるんじゃない。