トップの素顔論

トップの素顔論

■トップの素顔論
「トップの素顔論」文化放送幸田真音のit`s Mine!」から生まれた対談集。10人のトップ著名人と幸田真音の対談を編集した本です。幸田真音は、米国系銀行や証券会社の債権デイーラーなどを経て、デビューした異色の作家です。幸田真音(コウダマイン)の小説は、「傷―邦銀崩壊―」を読んだことがあります。金融の専門知識を生かして、日本金融界の闇を描いた小説だと記憶しています。名前は、テレビか何かでマネーをもじって(マネ)と読むのだと、聞いたことがありますが、(マイン)と読むのだと知りました。
10人のトップ著名人との対談は、幸田真音の交友関係の広さを感じるし、財政審議会の委員を務めているので、その関係の方とのお付き合いもあり、幅の広さから、軽妙な内容となっています。10人の方との対談の中で、私の気に入ったセンテンスの一部を、今回は、それぞれ紹介します。
谷垣偵一 元財務大臣自民党総裁候補として安倍前総理に敗れる。
幸田から消費税の増税について、話を向けられて、
谷垣「この前、ドイツの政治家が日本にやってきて、彼といろいろと話をしたんです。ドイツは消費税を3%引き上げて、その次に法人税を減税するという議論をしてきました。それで彼に、「消費税を上げるのは大変だったろう」って訊いたんですよ。そうしたら彼は、「我々はコックだから」と言うんです。「キチンの暑さに耐えられないようではコックじゃない」って言われてしまいました。」
向井万起男 医学博士、宇宙飛行士向井千秋の配偶者
幸田から臨床医ではなくて病理医を選択した理由を問われて、
向井「たとえば、内科の医者になると、内科の患者さんだけを診ることになります。外科医なら外科だけですよね。しかし、病理医は、何科の患者さんの検体でも診断します。だから、すべての病気に関して、いろんなことを知ることができるのです。」
石 弘光 一橋大学学長、元政府税調会長
幸田からマスコミが税の無駄遣いばかり強調して報道することについて、
石「税金を払わなくてもいいという風潮を煽っている。そればかりやっていると、自己負担は増えるばかりだし、生活保護みたいなセーフテイネットを維持できなくなる」
残間里江子 山口百恵の自叙伝「蒼い時」を出版プロデユース
幸田から百恵ちゃんに自叙伝をプロデユースするときのきっかけを問われて、
残間「私はね、人より卓越した能力とか才能はないのよ。だから結局、数字に挑戦するしかないの。つまり、人が一回行くところを三回行くし、人が八時間寝るところを三時間にすることしかできない。数字で勝負するしかないって、若い時から思ってきましたからね。」
榊原英資 元大蔵省財務官、ミスター「円」と呼ばれていた。
幸田からテレビで料理番組に出演していることについて、
榊原「外国で食べる寿司は、シャリがまずい。だから僕は日本の農業関係者に、にほんの米を輸出しろ、って言っているんです。これだけ、寿司ブームになっているんだから「寿司には日本のコメでなくてはダメだ」というキャンペーンをやれ、って言っているんですけどね」
以上、5名の方の主張を紹介しましたが、あと5名の方については、明日のブログに引き続き掲載します。