「剣客商売SP」見逃しちゃった

剣客商売

剣客商売SP」見逃しちゃった
昨日は、朝刊のテレビ欄を見て夜8時から「剣客商売SP」が放映されることを知って、、早く帰宅して、「剣客商売SP」を見ることを楽しみにして、出勤しました。終業時間を知らせるチャイムとともに、『さあ、今日は、早く帰ろう。』と机の上を片づけ、パソコンの電源を切って、「お疲れさん!」と会社を退出しました。『さて、日曜日は、桜花賞だし、競馬新聞を買って、帰宅して、お楽しみの「剣客商売SP」を見よう。』と会社のビルの前の横断歩道の赤信号を待っていると、そこで、Oさん、Kくん、K・Kくん、Sくんの4人組に遭遇しました。しかも、運の悪い事にKくんと目が会ってしまいました。
『うむ、まずい。誘われそう。今日は、早く帰るぞ。』と心の中で決意のほどを確認しました。悪い予感は、見事に的中し、Kくんが、にやりと微笑みながら、声をかけてきます。
「Fさん、金曜日ですし、久しぶりに軽く飲りますか?」その瞬間、私の心の中の決意はあえなくも霧散霧消となりました。
「そうね。久しぶりに行こうか。どこへ行く?」
それから、行きつけの中華料理屋でワイワイ・ガヤガヤ。話の途中で、諦めも悪く、ボヤキを一言。「今日は、早く、帰る予定だったのにね。」すると、Oさんが、「俺だって、エレベーターホールの前で誘われたんだぞ。」と、何時もその気たっぷりなのに、アリバイ作りをご披露。さらに、K・Kくんも、「僕は、エレベーターの中で、誘われた。」なんて、皆で、責任の押し付け合いをするのは、どうも、飲みに出かけた世のオヤジどもの習性のようです。
剣客商売SP」の始まる時刻に中華料理屋をお開きにして、オヤジどもの勢いは止まることを知らず、行きつけのスナックA奈に直行し、深夜まで、歌合戦と相成りました。結局、朝から予定していた「剣客商売SP」は、見逃してしまいました。
さて、見逃した「剣客商売」は、池波正太郎の原作です。35年前に初めてテレビドラマ化され放映されたのを見て、面白そうだったのでシリーズ本を全部で20冊ぐらいあったでしょか、買い集めて読みました。当時のテレビドラマは、山形勲が老剣士の秋山小兵衛役で、その息子秋山大治郎役を加藤剛が演じていました。女武芸者で時の勢力者である田沼意次の娘の佐々木三冬役は、音無美紀子だったと思います。物語は、秋山親子が、江戸で起こる様々な事件を解決する日本版シャーロック・ホームズみたいなイメージです。痛快時代劇というより、ゆっくりとした流れを感じる時代劇です。その後、何度も、シリーズ化されて放映されていますが、その度に楽しみにして見ていました。
剣客商売」の小説の面白さの一つは、秋山小兵衛の隠宅である鐘ヶ淵の風景の長閑さの描写と小兵衛が出歩く江戸市中の描写です。鐘ヶ淵は、今は、東京の墨田区にあり、東武伊勢崎線鐘ヶ淵駅があります。江戸時代は、荒川沿いの寒村のはずれではないかと思います。余談ですが、鐘ヶ淵は、鐘淵紡績、今のカネボウの創業の地としても有名です。
もう一つ、池波正太郎の真骨頂は、小説の中で食事の場面が多いことです。もちろん、テレビドラマでも食事のシーンが多くなります。江戸時代の食事を、ほんとうに美味しそうに表現しています。池波正太郎の随筆で食卓に関するものが数冊ありますが、かなりの食通の方だったのでしょう。
また、是非、フジテレビさん、「剣客商売」を制作して放映してください。今度は、必ず、見逃さないようにします。