瀬戸大橋線を知っていますか?

瀬戸大橋

瀬戸大橋線は、瀬戸大橋を通るJR西日本とJR四国の岡山駅高松駅を結ぶ路線の愛称です。正確には、JR西日本宇野線岡山駅茶屋町駅)、本四備讃線茶屋町児島駅)そして、JR四国の本四備讃線児島駅宇多津駅)、予讃線宇多津駅坂出駅高松駅)の路線のことです。昭和63年4月に瀬戸中央自動車道の開通とともに開業しました。
瀬戸大橋線で四国に行ったのは何年ぶりでしょうか?と言うよりは、はじめてのような気もします。平成11年ごろ、松山から神戸に戻るのに、「特急しおかぜ」に乗って、瀬戸大橋を渡った記憶があります。確か、松山へは広島の宇品から高速艇で渡ったはずです。その時には、松山の駅で、昼食に「じゃこ天うどん」を、おやつに観音寺駅善通寺駅で大きな「おいなりさん」を食べました。とにかく、松山から岡山まで、随分と時間がかかり、退屈してしまいました。
先々週の土曜日です。高松への出張のため、この瀬戸大橋線を利用しました。神戸から新幹線で岡山駅まで30分。岡山駅で、2分ぐらいの乗継で、急げば10時34分発の「快速マリンライナー21号」に乗れましたが、駅構内のコーヒーショップでコーヒーを一杯飲みながら、ちょっと、一息入れます。岡山駅は、最近、リニューアルして、すっかり様子が変わりました。新幹線から在来線へのコンコースも、随分とおしゃれな装いになっています。
30分後の11時04分発の「快速マリンライナー23号」に乗車。お客さんは、ほぼ満席です。先頭車両は、2階建てで、上がグリーン席、下が指定席となっています。
岡山駅を出発すると、車窓には、田園風景が広がります。備前西市駅で、ドアが開かずに、列車の通過待ちをしながら、最初の停車駅が、早島駅、次の停車駅が、茶屋町駅です。ここから先が、本四備讃線本四備讃線に入ると、本州側最後の児島駅に停車します。
児島駅を出発して、すぐに、鷲羽山トンネルに入り、そして、鷲羽山トンネルを抜けると、いよいよ、瀬戸内海の塩飽諸島櫃石島、岩黒島、羽佐島、与島を結び本州と四国を結ぶ通称「瀬戸大橋」です。瀬戸大橋は、橋げたの上が道路、中が鉄道の二階建て構造になっているので、電車は、まずは、下津井瀬戸大橋の橋げたの中に入っていくという感じです。櫃石橋、岩黒橋、備讃瀬戸大橋へと連続して橋げたの中を走っていきます。所要時間は、僅かに10分程度。車窓には、瀬戸内海の島々の多島美が広がりますが、残念ながら、橋げたの中を走るため、桁の部材が邪魔をしてしまいます。道路の方は、邪魔するものがないので、鷲羽山トンネルを抜けると、感嘆の声を発するような景色が広がりますが、鉄道の方は、そういった意味では、やや残念です。
瞬く間に、瀬戸内海を跨いで、四国側の最初の停車駅の坂出駅に到着。坂出駅を出発すると、高松駅まではノーストップで、岡山から約1時間の電車の旅です。
高松駅も、数年前にリニューアルして、宇高連絡船の発着していた昔から比べると、その趣は、すっかり変わってしまいました。ちょうど、昼時になっていたので、高松駅の近くのうどん屋さんで「野菜てんぷらうどんの大」を注文して、今はやりの「讃岐うどん」を堪能。
午後から仕事を終えて、高松駅の二階の立ち飲みの鮨屋さんで小1時間ほど、ビールを飲みながら、生きの良い刺身と寿司をつまんで、17時22分発の「快速マリンライナー50号」に乗車。乗客は、座れない人もいるほどの満員状態です。
この季節のこの時間の車窓は、もうすっかり夜陰に包まれてしまい黒一色。番の州の工場地帯の照明の明かりが見えてきて、電車は、瀬戸大橋に入線することを知りますが、海の上を走っているとは、気付かないこともあるでしょう。ただ、ガタン、ガタンという電車のレールを軋む音が、やや大きくなったような気がします。
神戸から高松まで待ち時間を含めて、おおむね2時間。家へのお土産は、もちろん「山下の讃岐うどん」でした。