「大腸検査」奮闘記

i医療センター

何事につき大げさな性分は、臆病者で、小心者であるが由縁でしょうか。致し方ありません、これが、持って生まれた性格ですから。
6月30日のこと。会社のデスクの上に1枚の封書がありました。内容は、6月4日に受診した健康診断の結果でした。「ショック、ショック、ショック」便潜血反応が陽性で要精密検査、おまけに随分と気をつけていた総コレステロール値が高くなり、こちらも要精密検査。「アチャ、何でやねん」という気持ちで、その日は、落ち込みました。
7月7日のこと。健康診断書を持参して、産業医のもとへ出頭。「総コレステロール値は、まあ、問題ないでしょう。」「ホッ。」「便の方は、ワンプラス(2日分のうち1日分だけ陽性)なので、若い人であれば、便再検査ですが、もう、年も年だから一度、大腸検査を勧めます。」「はあ、そうですか?」「どこの病院にしますか?紹介状を書きますので。」「それでは、西神戸医療センターでお願いします。」ということで、大腸検査を受検することが、あっさりと決定しました。
7月22日のこと。朝、8時半、自宅からトボトボと歩いて15分。紹介状を持参して西神戸医療センターの消化器科の受付に行きます。総合病院は、混んでいて大変だというイメージでしたが、紹介状があるからでしょうか、以前来院した時よりは、スムーズでした。受付から1時間で、先生の診察。「はい、便潜血反応が出ていますね。年齢的にも大腸検査を受けた方がいいですね。頑張ってください。」小さな声で「はい。」私の気持ちとしては、もう一度、便検査をしましょうかって言ってくれるかな、というこの期に及んで淡い期待を持っていたのに『あ〜、あ〜、』。そのまま、中央放射線科の受付で、検査の予約日と検査後の診断の予約日を確認して、検査の内容の説明を受け、10時前には終了。ビニール袋に入った検査キッドを持って、トボトボと帰宅します。
8月11日(検査日の2日前)のこと。食事制限。検査の2日前からは、こんにゃく、キノコ、わかめ、繊維類の多い野菜(ごぼう、たまねぎ、きゃべつ等)などは食べないでください。でも、それ程、厳しい食事制限でもなく、別段、気にすることもありません。
8月13日のこと。いよいよ検査の日がやってきました。ドキドキです。今日は、もちろん、朝食、昼食抜き。午前7時。何時ものようにトイレに行って、スッキリ。もともと、便秘などしたこともなく、バリュウムを飲んでも下剤なしでOKなので、この日、指定された下剤3錠のうち1錠しか服用しませんでした。粉末のニフレック(大腸の中をきれいにする薬)を昨夜から準備していた冷やしたお水(2リットル)で溶かします。さて、これから、この水溶液を飲まなくてはいけません。これがキツイと聞いていましたが、約3時間かけて少しずつ飲み干します。その間、トイレに行くこと8回。最後は、水しか出ません。11時ごろには、これで、腸の中はキレイになったはずです。この間、特段、それ程、キツクもなく、淡々と済んでしまいました。2リットルも水を飲んでいるので、お腹も空きません。
午後2時、酷暑の中、細君と愛犬に見送られて「さあ、西神戸医療センターへ出陣」です。中央放射線科の受付を済ませて、処置室へ。看護婦さんから一応の説明を受け、検査服に着替えて、腸を安定させる注射を刺して、前の人が終わるまで待機です。
「次に方」「はい」「ベッドに横になってください。」「よこらしょ」「楽にしてください」「先生が来ましたら検査開始です。」「はい」先生入室。「それでは、始めます。」「はい」って言った時には、もう、大腸カメラは、私のお腹の中に進入しています。「ここから、十二指腸までカメラを入れていきます。そして、抜くときに撮影をします。途中で、少し、突っ張ることがあります。痛かったら、言って下さい。」か細い声で「へ〜い」カメラが進むに従って、少し、突っ張る。「むむ」「痛いですか?」「大丈夫です。」「はい、十二指腸まで来ました。それでは、いまから、戻りますよ。」「は〜い」自分の腸の中の映像を横目で見ながら「ふん、ふん」「はい、終わりました。別段、異常はないようですね」「はあ、ありがとうございます」その間、約10分。なんちゅうこともなく終了。約2カ月、憂鬱な気分もスッキリ。この日の青空のようです。
8月19日のこと。西神戸医療センター消化器科。11時の予約に併せて出頭。「はい、検査ご苦労様でした。」「腸の方は正常です。」「便潜血反応が出ても、こういったことはよくありますので、よかったですね。」「はい」「何か、ありますか?」「いいえ、ありがとうございます。」2分でお見立てが終了。
健康診断で、便潜血反応がでて、お悩みの皆さん。便検査は、大腸の病気を発見するための検査です。是非、検査結果をどうせ痔の所為だろうと無視しないで、大腸検査を受けて下さい。決して、つらい、痛い、苦しい検査ではありません。以前、「大腸洗浄ダイエット」がブームになったことがありますが、大腸をキレイにするとスッキリ気分になれます。今だから言えますが、私も、検査を受けるまでは、ヒヤヒヤ、ドキドキしていましたが、受けてしまえば、結果も良かったことで、「これで、安心、安心」です。