「小雨日記(こさめにっき)」

tetu-eng2013-05-18

「小雨日記(こさめにっき)」
 小泉今日子
 角川マーケテイング
 2011年5月7日第1刷発行
 1500円(税抜)

 私にしては、ちょと異色の本を読みました。これ、実は、「ブックオフ」で500円で買ったものです。小泉今日子こと「キョンキョン」と言えば、「スター誕生」でデビューして、一世を風靡したアイドルです。私も、若い時には、「キョンキョン」の歌を車の中で、よく聴いた輩の一人です。今、NHKの朝の連ドラ「あまちゃん」に出演して、その存在感を示しています。最近は、女優業が多いようですが、「あまちゃん」の高視聴率は、「キョンキョン」の功績が大ではないでしょうか?珍しく、細君に録画を頼み、週末を楽しみにしています。中井喜一と共演したテレビドラマ「最後から二番目の恋」。これは、最近では、出色のドラマでした。フジテレビさん、是非、続編をお願いいたします。結局、私って、「キョンキョン」のファンですか?

レタスクラブさんから短期連載で猫の話を書きませんか?と、ご提案頂きました。猫から目線で私を観察するというアイデアレタスクラブさんからでした。書き始めてみると、その逆観察は思いのほか楽しくて、気が付いたら2年とちょっとの長期連載に育ってしまいました。
 私にとっての小雨は、まるで気高く孤高な百獣の王。圧倒的な存在感で従順なしもべである私を完全に支配しています。そんな彼女の視線を感じるから、一人暮らしの私の生活に少しの秩序が生まれます。そんな彼女の体温を感じるから、私の日々にささやかな幸福が訪れます。小雨は私との暮らしをどう感じているのだろう?こんな風だったらうれしいなあ、という私の願望が「小雨日記」詰まっています。』

 「小雨(こさめ)」は、「キョンキョン」の愛猫のお名前です。「春の優しい小雨の降る日に、」千駄ヶ谷のペットショップで出会ったそうです。そして、「小雨」と命名されたのです。この本、「キョンキョン」、本の中では、「キョーコさん」と「小雨」の日常をつづった60題のエッセイ、1題が、5百字程度なの短文です。この原稿が、一千五百字程度ですから、三分の一。素人(「キョンキョン」には、失礼ですが、これ、わたしのこと)の雑文としては、五百字程度が、まずは、適当なのでしょう。この原稿も、引用文を除けば、まあまあかな。って、「キョンキョン」と張り合ってどうするの?なぜ、この本を読んだかって、結局は、「キョンキョン」の私生活を覗き見したいという「いやらしいオジサン根性」であることは、否定できないのが悲しいですネ。

『仕事のない日のキョーコさんは一日中パジャマのままで、寝転がってテレビを見たり、本を読んだりしています。3日間でも4日間でもその状態で過ごしています。そんなキョーコの姿を見たら、誰もが幻滅しそうです。人気商売のキョーコさん、それでは商売あがったりなので、小雨だけの秘密にしておきます。
 でも、うちのキョーコさんったら無頓着なところがあるので、宅配便のおにいさんが来ても平気でそのまま出ていくんですよね。』

 「キョーコさん」の秘密は、公然の秘密となってしまいました。宅配便のおにいさん、役得ですネ。宅配便のお兄さんになり代わりたいと思うのは、「わたしだけですか?」。やっぱり、「いやらしいオジサン根性」丸出しでした。

 小泉今日子さんは、2005年頃から読売新聞で読書委員として書評を執筆しているようです。ネットでは、「本よみうり堂」の「書評」のページで、読むことができます。どんな書評を書くのかな?と、興味津々で読んでみると、簡潔にして円熟した「キョンキョン」流の書評にビックリです。