ぶらり、出石&城崎

 うれしいことがありました。先週の金曜日に、友人数人が「還暦」を祝ってくれました。この場を借りて、「謝意!謝意!」また、日頃、音信不通の東京に居る息子から「おめでとう」のメールの着信がありました。これも、「謝意!謝意!」

 僕は、先週の土曜日に「還暦」を迎えました。これまで馬齢を重ねることに、左程の感慨を持ちませんでしたが、この日は、今までとは、趣を異にしていました。何故でしょうか?たぶん、これまでは、人生に明確な「目標若しくは夢」があったのです。例えば、親よりは早く死なない。子供を一人前にする。自宅を持つ。借金を返済する。お金を貯める。サラリーマンとして栄達を目指す。などです。幸運にも、今、例示した事柄は、おおむね達成することができました。目標管理的に言えば、達成度90%ぐらいでしょうか?あっ、残念ながら、お金は貯まっていませんネ。だから、80%に下げます。

 ところが、「還暦」を迎えて、これからの人生に「目標若しくは夢」の明確なイメージがありません。ただ、死ぬまで生き抜くことだけです。実は、生きることは大変なことなのでしょうが、それだけでは、如何にも動物的であり、知恵のある人間としては、「もう一声」が欲しいですネ。そこで、今、僕の「夢さがし」をしています。
 そんなこんなで、「還暦」の日の朝、いつものことですが、突然、細君と出石・城崎方面に出掛けることになりました。朝食は、山陽道の「権現湖PA」で朝定食、そのまま、出石まで直行。もちろん、相棒(愛犬、もう老犬かな?)同伴です。

 出石は、何年ぶりでしょうか?すっかり、出石城の周辺は、観光地に変身しています。「八重の桜」の新島八重の最初の夫である川崎庄之助が、出石藩の出身ということもあり、今年は、特に人気があるのでしょう。
 出石と言えば、「皿そば」。蕎麦屋さんが何軒あるのでしょう。蕎麦屋さんだらけ。昼食は、もちろん、「皿そば」です。しかも、「皿そば」のはしご。「皿そば」には、5枚ごとに生卵とトロロがついているので、結構、満腹になります。昔、三宮の「千人代官」で、「皿そば」を20枚食べて、「そば通手形」を貰いましたが、最後は、粉っぽくなってきた嫌な思い出が頭をかすめます。
 満腹になったので、次は、城崎です。もちろん、城崎温泉。そして、志賀直哉の「城崎にて」。
『山の手線の電車に跳ね飛ばされて怪我をした、其後養生に、一人で但馬の城崎温泉へ出掛けた。背中の傷が脊椎カリエスになれば致命傷になりかねないが、そんな事はあるまいと医者に言われた。二三年で出なければ後は心配はいらない、兎に角要心は肝心だからといわれて、それで来た。三週間以上――我慢出来たら五週間位居たいものだと考えて来た。』
 城崎温泉は、有馬温泉などの大温泉地などと比較すると、こじんまりとした温泉地です。城崎温泉駅から続くお土産物の商店街から、有名なのは、温泉街の中心を流れる大渓川の畔(柳通り)のたたずまいと川岸に林立する温泉旅館、そして、七つの外湯めぐり。
 日帰り温泉ツアーのため、「一ノ湯」のみに入湯して、ほぼ満足。ちょっと、しょっぱいお湯でした。「一ノ湯」の近くにフレッシュジュースのお店があったので、細君とジュースを飲んで、温泉は、二つも三つも入れないなどと、感想を語りながら、さて、いざ、神戸へ帰ろう。意外と近くて、神戸から城崎への直行で、約2時間30分。また、一風呂入りに行きますか?そうそう、出石も、「官兵衛」に入れなかったので、もう一度。