「探偵はバーにいる」

tetu-eng2015-10-18

「探偵はバーにいる」
東 直己
早川書房
2011年8月22日第32刷

今年も、新潟の学生時代の友人から新米が送ってきた。年に1回の交信ですが、お礼の電話で、お互いの近況を報告します。

やれ、手がしびれる、メタボだと、友人もぼくも、そういった歳なのですが、人は、声質は変わらないのでしょうか?40年前の彼の声に変わりはありません。兎にも角にも、健康であることが一番。そしてこの交流に感謝!感謝!

「最近、ちょっと、おもちゃ、よく、買いますね」とは、細君のお言葉です。はい、テニスラケットを買いました。バボラの新製品(バボラピュアアエロ G2)。スクールに行くとメンバーみんなに薦められて、かつ、コーチからも、「よいしょ」をされて、決断しました。

どうせ、技量は伸びないのだから、道具で勝負しなけりゃなんて、ゴルフと同じで、道具自慢とまではいきませんが、2週ほど試打をしましたが、わりと、いい感じだったので、悩みに悩み、決めちゃいました。いいでしょう。
ちょっと、前に、3本目のウクレレを買ったばかりだったので、先ほどの細君のお小言でした。

漸く、読書雑感にはいります。

『ちょっと昔、風俗営業法が変わる前、「ソープランド」が「トルコ」と呼ばれ、エイズアメリカのホモだけが罹る原因不明の奇病だった頃、俺はススキノでぶらぶらしていた。
冷たい突風が真正面から吹きつける。俺は思わず顔をしかめた。色とりどりの光の下に散らばっている客引きたちが、各々片手にビラの束を持ち、片手でジャンパーの襟をかき合わせ、悲鳴に近い声を出す。
「しんどなぁ』

物語は、北海道は札幌のススキノが舞台です。主人公の「俺」は、何でも屋みたいな「探偵」さんです。あるとき、大学の後輩から、同棲している女の子がいなくなったという相談を受け、捜索を依頼されます。

ところが、その女の子の捜索をしているうちに、奇妙な殺人事件に巻き込まれてしまいます。このあたりの筋書きは、探偵小説にありがちなストーリーです。この小説の特徴は、ススキノの歓楽街のいろんなバー、クラブ、居酒屋などが、めまぐるしく「俺」の立ち寄り先として出てくることでしょうか?

この男、こんなに飲み歩いて身体をこわさないのかって思うほどの豪遊、豪酒ぶり。そらりゃ、お話の世界ですから・・・。それに、とても、けんかが強い。これもお話のせかいですから・・・。とにかく、はちゃめちゃなハードボイルドぶりです。

『「なんで殺ったんだ!」
俺は怒鳴った。ハルが飛びかかる。身をかわそうとしたが間に合わなかった。左胸が砕けるかと思うほどの痛み。膝をついてしまった。ハルはやみくもに両手を振り回す。俺の目の前にあった金的を下から殴り上げた。ハルはひるまない。俺の頭の中で火花が何発も炸裂する。膝が飛んできて唇にぶち当たる。俺は前に飛び出した。俺とハルの体がもつれる。相手の喉を握った。めちゃくちゃに暴れる。手のつけようがない。顎に拳が当たる。強くはないがうるさい。俺は、ハルのミゾオチに拳を三発、思い切り叩き込んだ。ハルはやっと動かなくなる。
俺は汗だくだった。のろのろと立ち上がった。』

格闘シーンが、短いセンテンスで、歯切れよく描写されていて、迫力を感じます。大泉洋松田龍平の主演で映画化された原作です。