「置かれた場所で咲きなさい」

tetu-eng2015-11-22

「置かれた場所で咲きなさい」
渡辺 和子
幻冬舎
2015年11月10日第64刷

渡辺和子さん、1927年のお生まれなので、御年88歳になられます。

現在、岡山のノートダム清心学園理事長をお務めです。そして、シスターでもあります。

金スマ」で、ゲスト出演。大竹しのぶとのインタービューというか、対談が放映されました。

場所は、ノートルダム清心学園のキャンパスです。

渡辺和子さんは、二二六事件で青年将校に射殺された渡辺錠太郎陸軍教育総監の息女として、生まれました。そして、子供の時、目の前で、お父上の暗殺を目にし、その後、長じて、シスターとなり、現在に至るそうです。

その人生は、よく言うところの「波瀾万丈」なのですが、やはり、神につかえる身として、一本筋が通っているのでしょう。と、思ったら、こんなことが書いてありました。

『心の悩みを軽くする術があるのなら、私が教えてほしいくらいです。人が生きていくということは、さまざまな悩みを抱えるということ。悩みのない人生などあり得ないし、思うがままにならないのは当たり前のことです。もっといえば、悩むからこそ人間でいられる。それが大前提であることを知っておいてください。』

88歳のシスターに悩みがつきないなら、ぼくのような俗人に悩みが多いいのは、当たり前ですね。そう、ここでのキーワードは、「当たり前」ということではないでしょうか?

いつになっても、ひとつ悩みが解決すると、次の悩みが雨後の竹の子のように頭をもたげてくる。それって、「当たり前」のことなのです。そのとき、『神は力に余る試練は与えない』ということを心に留めておきましょう。

あるお医者さんのブログで、「自分自身の自己回復力を信ずること」これが、大切であると買い手ありました。人間の体は、防衛本能から驚異的な自己回復力があるそうです。

これって、『神は力に余る試練は与えない』にも通じるものがあるのでは・・・。

そして、今から、老いていくぼくへのアドバイスとして、

『老いは、悲しいことばかりではありません。それなりの恵があります。持ち時間も体力も、気力さえも確実に減ってゆくのだとすれば、いきおい何もかもでなく、本当に大切なこと、必要なことを選んでするようになります。かくて、老いは人間をより個性的にするチャンスなのです。人間関係にしても、徐々に、量から質へと変わってゆきます。』

老いは、個性的にするチャンス。このチャンスをどう生かすか?

『過ぎ去った季節を懐かしむのでなく、暖房を入れて冬の寒さと厳しさをまぎらわそうとせず、むしろ進んで、冬の魂と、冬にいのちにふれるのです。このように生きることで孤独な私の魂の壺の中身は、豊かになってゆくに違いありません。』

最期に、ベランダ菜園のイチゴに花が咲いています。えっ、イチゴが季節を間違えたのでしょうか?このまま、イチゴが出来たらどうしましょう。季節外れのイチゴ、これも、神の思し召しでしょうか。