「本日は、お日柄もよく」

tetu-eng2016-07-31

「本日は、お日柄もよく」
原田 マハ
徳間文庫
2016年5月25日第19刷

「本日は、お日柄もよろしく・・・」は、結婚式のスピーチのお決まりのワードです。そういえば、結婚式に出席したのは、いつが最後だったでしょうか?記憶の扉をノックしてみますが、なかなか思い当たりません。すくなくとも、平成17年以降(この年に体調を崩して、ご無礼したことが記憶にあります。)は、その機会はなかったでしょう。

たぶん、たぶん、平成14〜5年頃に、たぶん、たぶん、ポートピアホテルで、誰の式か忘れましたが、それが最後だったのではないでしょうか?とすると、13年以上、華燭の典には、出席していないということになります。ぼくの周りには、結婚適齢期の友人が居ないのか、ぼくの人付き合いが悪くて、誰も、呼んでくれないか?まあ、後者かもしれません。

それに引き替えて、毎年のように、お葬式でのご焼香は・・・葬式は呼ばれるものではないので、自主参加ですから・・・ありますね。いまのところは、ぼくの親世代若しくは先輩たちですが、徐々に、同世代もチラホラ。だんだん、順番が回ってきそうで、なんとも、さみしい限りです。みなさん、元気で、健康で、長生きしてください。

余談は、このくらいにして、こんな商売があるのか?

この小説は、言葉のプロフェショナル「スピーチライター」をモチーフにしたものです。スピーチライターが注目されるようになったのは、オバマ大統領の「あのスピーチ」かららしいですよ。

「Yes、We can!」

「スピーチライター」への発注者は、おもに政治家、会社の社長など人前でスピーチをする人たちらしいです。

『スピーチの極意 十箇条
一、スピーチの目指すところを明確にすること。
二、エピソード、具体例を盛り込んだ原稿を作り、全文暗記すること。
三、力を抜き、心静かに平常心で臨むこと。
四、タイムキーパーを立てること。 などなど』

詳しく知りたいかたは、本書を参考にして下さい。二ノ宮こと葉は、普通のOLさんですが、友人の結婚式でスピーチを頼まれます。そこで、伝説のスピーチライター久遠(くおん)久美に弟子入りして、スピーチの「いろは」を勉強するのですが、それがきっかけとなり、スピーチライターの道を歩むことになるのです。という、お仕事小説です。

お仕事小説の中で、もうひとつ紹介されているのが、いいスピーチライターになるためには、聞き上手でなくてはならない。そのために、「リスニングボランテイア」という活動があるらしいです。

『リスニングボランテイアとは、おもにお年寄りの話を「ただひたすらに聞く」行為なのだそうだ。自分の意見を言ったり、必要以上に応答しない。
最後にたった一言だけ、言わせていただくの。悲しい話なら「大変でしたね」、明るい話なら「すてきですね」って』

むかし、カウンセラーの研修を受けたときに、同じようなことを教わった記憶があります。たしかに、聞き上手は、話し上手といいますね。上位の職位に就くに従って、これは、大事なことだと思います。プレゼンターの話を、しっかり聞いて、話すこと。これは、ぼくも、肝に銘じています。なかなか実践できませんが・・・・。聞いていると、辛抱できないのよね。

『聞くことは、話すことよりずっとエネルギーがいる。だけどその分、話すための勇気を得られる』

小説家って、いいこと言うよね。勉強になるわ。