「剣と紅」 

tetu-eng2016-11-13

「剣と紅」
 高殿 円
 文春文庫
 2016年10月5日第12刷発行

早い!早い!何がって・・・月日の流れるのが早いのです。この調子だと、「あっ」という間に、終活ですね。
「あっ、ダメダメ」・・・そんなことを考えてはいけないのです。

エンドルフィン(脳内麻薬)を上手に放出する心得:『第1「終活」などしない・・・・死んだ後のことを考えるのではなく、現在の自分の生き方を見つめ直し最後まで楽しめることを探す』

脳内では、エンドルフィンという神経伝達物質が放出されるらしいです。分かり易い例が、マラソンランナーの「ランナーズハイ」は、エンドルフィンの作用によるらしいです。

脳内で、このエンドルフィンが放出されれば、気持ちよくなるらしいです。じゃあ、この物質が放出されるには、どうすればいいのか?例えば、「笑うこと」「入浴して気持ちいいと思うこと」「呼吸で怒りを静めること」「ペットを愛おしいと思うこと」などなどらしいです。

なんで、こんな話になっちゃたのか?そうそう、時の流れが速いという枕詞でした。なぜ、この枕詞かというと、「剣と紅」・・・井伊直虎のお話し・・・うん、来年のNHK大河ドラマ「おんな城主直虎」の物語です。

真田丸」が、大坂夏の陣・冬に陣と佳境に入ってきましたが、結構、視聴率がいいらしいです。さて、来年の大河はどうでしょうか?ということで、「剣と紅」を読みました。

井伊直虎とは誰か?徳川四天王井伊直政の養母「香」・・・こと、井伊家第26代当主井伊直虎・・・のことです。井伊家は、遠州井伊谷(いいのや)の豪族で、その祖は、平安時代に遡るらしいです。

『その昔、謂伊八幡宮がまだこの地にあったころ、御手洗として使われていた井戸に捨て子があった。神主に拾われたその赤子は、当時この辺りの領主であった藤原共資の養子になり、のちに井伊を名乗った。それが井伊家の初代、共保公であるといわれている。
今、香の目の前にある井戸は、子供の両手を広げたほどの幅の小さなものだ。お宮自体は目の前の龍泰寺を建てるために移築したが、由緒ある井戸は残された。香は毎朝、この井戸を見に来るのを日課にしている。
ここに、井伊家だけではなく、自分自身の由来があるからだ。
この井戸のすぐ側に生えている、日本の橘の木に。』

しかし、戦国時代・・・遠州の小豪族井伊家は、今川、武田、織田、徳川などの戦国大名の狭間で、翻弄されて、代々の領主が謀殺され、残された姫が領主として名乗り、女領主となったらしいです。

そこで、「香」という女の名前を捨てて、「直虎」と名乗ったらしいです。そんな戦国時代の女性の数奇な人生の物語。

『「皆も知るように、亡き直親どのが一子虎松が元服するまでの間、この香がその家督と地頭職を預かりおく。わしは今日より女名を捨て、この難局を乗りこなし井伊家が無事に虎松という虎に乗りかえる事ができることを祈願して、ここに井伊次郎法師直虎と名乗ることといたす」
「井伊、直虎様・・・」』

なぜ、井伊直政のドラマにしなかったのか?井伊直政だったら、「井伊の赤備え」って歴史好きなら有名ですが、井伊直虎・・・ぼくは、知りませんでした。NHKは、「花燃ゆ」で久坂玄瑞の妻「文」(吉田松陰の妹)で失敗したのに・・・なぜ?やはり、歴史上、ある程度知名な人物がモデルでないと視聴率は難しいんじゃないでしょうか?主役の柴崎コウさん・・・どうかな?