「ヒア・カムズ・ザ・サン(Here Comes the Sun!)」

tetu-eng2017-02-05

「ヒア・カムズ・ザ・サン(Here Comes the Sun!)」 
有川 浩
新潮文庫
平成25年10月1日発行

平成29年1月が、脱兎のごとく過ぎ去りました。

毎日、毎日、トランプ、トランプと、テレビニュース、ワイドショー、新聞、Yahooニュース・・・どれもこれも、トランプで氾濫しています。さぞや、ご本人は、世界の注目を一身に受けてご満悦なんじゃないでしょうか?世界のあちらこちらに喧嘩を吹っかけて、しっちゃかめっちゃかにして、多分、革命家気取りなのでしょうか?

革命には、理想を掲げる人、破壊する人と、整形する人がいるらしいです。たとえば、明治維新でいえば、理想を掲げる人は、吉田松陰、破壊する人は、高杉晋作、整形する人は伊藤博文、という感じ(みんな郷土の英雄ですが・・・)でしょうか。

アメリカ大統領の交代劇は、多かれ少なかれ、同じ歴史を繰り返すらしいです。トランプさんは、ちょっと、ハードなのでしょうか?まあ、そのうち、どこかに収斂していくのでしょう。それとも、自由・平等・博愛の自由主義・民主主義に変わる新思想が唱えられるのでしょうか?理念なき破壊は、ただの混乱になってしまいます。ひょっとすると、世界は、カオスの時代に突入するのかもしれません。

高齢者の定義が、話題になっていますが、65歳以上とすれば、ぼくは、もうすぐ高齢者です。75歳以上とすれば、まだ、小僧っ子です。いずれにしても、破壊=戦争という世界にならないことを祈ります。世界の指導者の皆様、よろしくお願いいたします。力なき地球人より。

『何かに触れたとき、不思議なものが見えたり聞こえたりすることが幼い頃からよくあった。
一番古い記憶は、祖母が持っていた古布をはぎ合わせた巾着だ。
触れた拍子に真っ白い着物を着た女の人が見えた。後に獲得した語彙で表現すると、打ち掛け姿の花嫁ということになる。』

古川真也には、特殊な能力があった。サイコメトリー。小説の題材として、サイコメトリーは、よく使われます。古川真也の能力は、物に触れたときに、その物への持ち主の思い入れが強いほど、その物についての持ち主の記憶が見えてしまうという、ちょっと、ややころしい能力です。

いろいろなものが見えるということは、将来を予知することもできると思いますが、それはそれで、厄介なことです。見えるはずのないものが見えるというとは、見たくないものまで見えてしまうということです。あなたは、そんな能力を欲しいと思いますか?

脳というものは、常に、思考をしている状態らしいです。温泉に入っていても、ぼんやりしているようで、実は、脳の中では、走馬灯のように思考が流れていきます。これを雑念といいます。この雑念が多い人、そうでないない人と千差万別らしいです。

たとえば、バンジージャンプを、いとも簡単に飛べる人、絶対に飛べない人。二人とも怖いという感情はありますが、飛ぶときに、飛ぶことのみを考えて、飛んだ結果などについて想像するかしないか・・・これも雑念です。雑念を追い求める人は、絶対に飛べません。この違いは、どちらがいいか悪いかの問題ではなく、人間には、そういった違いがあるということです。

『彼らの生業を思えば当然だ。彼らの脳内にしか存在しない登場人物にそれぞれ感情を付与し、自由自在に物語世界を動き回らせ、読者を翻弄するのである。感情の量が人並みだったら人格が違う何人もの登場人物を書き切ることはできないだろう。
人並みの人が作家に劣っているというわけではない。作家の持っている感情の量が異常なのだ。それこそが自分とまったく違う他人を何人も生み出せる所以なのだろう。』

ぼくは、人並みの人ですが、ひとつ、雑念があふれだすため、不眠になってしまいます。そのため、雑念を追い回さないトレーニングを心がけています。人間、過ぎたるは及ばざるが如し。バランスが一番でしょう。