「家日和」 

tetu-eng2017-02-19

「家日和」
奥田 英朗
集英社文庫
2014年6月7日第6刷発行

確定申告の季節ですよ。

みなさん、給与以外の所得がある場合は、必ず、確定申告をして、納税しましょう。by 国税庁

なんちゃって、ぼくも、昨年から確定申告をしています。

「どうせ、分かりっこないから、確定申告なんか、やらなくてもいいよ。」というご意見も聞きましたが、ぼくは、「愛妻・納税・墓参り」がモットーなので、悪魔のささやきを振り切って、パソコンで申告書を作成しています。

昨年は、初めてだったので、税務署に行きましたが、今年は、税務署から「納付書」が送られてきたので、申告は郵送で済ませて、「納付書」で払い込もうと思っています。

税金は、年末調整で、還付されるのが常識だったのに、源泉徴収以外に納税するのは、なんとなく、取られる気分ですが、これは、国民の義務なので致し方ありません。

ちなみに、ぼくの場合は、給与所得以外に公的年金個人年金が収入の対象となっています。まあ、「貰う以上に納めることはないから」が、慰めの言葉です。

そうそう、「愛妻・納税・墓参り」は、ぼくのオリジナルではなく、亡くなった政治評論家の三宅先生の口癖です。ぼくも、このフレーズが気に入ったので拝借しています。泉下の三宅先生、申し訳ありません。

と、余談はここまでで、ぼくの好きな作家の一人である奥田英朗の「家日和」を読みました。「家日和」 の続編である「我が家の問題」は、たしかテレビドラマになったと思います。

『十四年間勤めた会社が倒産した。三十六歳の湯村裕輔は、それを遅刻した朝礼で社長の口から知らされた。』

できた奥さんがいたもので、裕輔が帰宅すると、妻の厚子は、すでに以前に勤めていた会社への再就職を決めていました。

『翌朝は六時に起きた。厚子が働きに出る以上、家事は自分がやらねばならないと思った。それについて話し合いはしなかったが、暗黙の了解で、裕輔だけがそっとベッドを降りた。』

できた旦那がいたものです。夫婦の鑑みたいなものです。

『「ママ、どこ行くの?」昇太が指をくわえて聞く。「会社だよ」裕輔が答えた。
「パパの代わりに?」
「そうパパの会社は倒産しました」
「トウサンって?」
「ずうっと夏休み」
「ふん」』

子供は、無邪気でいいね。

『「人間(にんげん)いたるところに青山(あおやま)ありだ」・・・・「青山(あおやま)」ではなく「せいざん」ですよ。』
『「人間(にんげん)いたるところに青山(せいざん)ありだ」・・・・「せいざん」はあっていますが、「人間」のところは・・・』
『「人間(じんかん)いたるところに青山(せいざん)ありだ」・・・「人間(じんかん)」は世の中のことで「青山(せいざん)」は墓場のことだ。だから、「人間到る処青山在り」とは、「世の中、どこにでも骨を埋める場所がある」という意味なのだ。』

ことわざは、正確に覚えていないと、赤恥をかきますので、要注意。軽妙なタッチで、家族を描いた「家日和」、間違いなく、面白いです。