「ほかならぬ人へ」

tetu-eng2017-04-16

「ほかならぬ人へ」  
白石 一文
平成25年1月20日第1刷発行
祥伝社文庫

相棒のバギーを買いました。

相棒も、寄る年並みには勝てず・・・・いやいや、まだ、元気なのですが、ぼくが、彼を抱っこして散歩するのが負担になってきたのです。

相棒は、2月で14歳。人間に換算すると74歳ぐらいらしいです。つい最近、「めまい」を発症して、フラフラになりましたが、1ヶ月ぐらいの療養の結果、元気に復活しました。散歩も、元気に歩いているのですが、さすがに、走る勢い、力強さは影をひそめました。

休日は、1時間ぐらいの散歩に出かけるのですが、公園までの途中、ぼくが抱っこしています。体重約7キロ。冬場は、毛皮が暖かくていいのですが、夏場は、汗みどろとなり、ぼくが寄る年波に勝てません。

そこで、以前から、バギーの購入を検討していたのですが、いい物件を見つけたので、この夏のお散歩対策として決断しました。が、・・・何と、このバギーは3万円の高額商品。びっくり。息子が小さいときに買ったバギーは、1万5千円ぐらいとのこと。

息子に話をしたら、「なんでやねん!」と怒られそうです。そのころは、貧乏だったからね。いまは、小金がすこしはあるからね。まあ、シルバー世代の道楽みたいなものです。これで、相棒も、ぼくも、少しは楽になれば、いいじゃないの!相棒には、すこしでも長生きをしてくれなくちゃね。

余談の続きは、読書雑感です。

「ほかならぬ人へ」「かけがえのない人へ」の二編が収録された文庫本。「ほかならぬ人へ」は、平成21年下半期の直木賞の受賞作品です。

この本も、長い間、たぶん平成25年ごろから本箱に眠っていたものです。どうも、この手の恋愛小説は、苦手なのでしょう。この手というのは、大人の恋愛小説のことです。そのため、読んだ後に、何も残っていないのです。

大人の恋愛小説は、湿気が多くていけない。一方、青春の純愛小説は、カラッとしていて、いいね。この小説は、白石さんの独特の場面の振り回しと、理屈っぽい心象の解説が、読者に重くのしかかってきます。

『他人を大事だと思い詰めることも、そうした熱情に駆られる自分自身を無条件に肯定しなければできるものではない。つまり、自分が大事ではない人間には他人を大事に思う力も不足しがちなのである。
しかし、
たとえいかに能力が高かろうと、いかに容姿端麗だろうと、いかに志操堅固だろうと、いかに多くの賞賛を浴びていようと、それにしたって自分というものはそれほどに大事なものなのだろうか、と。この世界の住人たちは誰も彼もが自分自分と言い過ぎているのではないだろうか。
自分なんてあってもいいが、なくてもいい。その程度でも、人間というのはちゃんと生きられるようにできているのではないだろうか?』

みなさんは、どう思いますか?

さて、白石さんには、申し訳ありませんが、そういった事情で、白石さんの小説は、残念ながら、「あしからず」というのがぼくの感想です。