「下町アパートのふしぎな管理人」

tetu-eng2017-04-23

「下町アパートのふしぎな管理人」 
大城 密
平成29年1月25日第1刷発行
角川文庫

来週は、GWですが、カレンダーどおりの勤務の予定。5連休も、特段予定なし。子供が小さいときには、いろいろとイベントを企画していましたが、シルバー夫婦2人と老犬1匹では、近場の公園に散歩に行くぐらいですね。それも、無計画に、かつ、行き当たりばったりで。

世間の人たちは、よく旅行に行くそうですが、ぼくは、大の旅行嫌いです。なぜかというと、枕が替わると寝られないという性癖だからです。寝つきの悪いのは、いつものことですが、とにかく、寝ることに神経質な性癖なのです。若いときは、どこでも、いつでも、横になって目をつぶれば、いつの間にか寝ていたのですが、10数年前から、寝る術がわからなくなりました。

毎日の習慣は、23時には、ベッドに入って本を読み出します。10分もすれば眠くなって、本がずり落ちると、消灯して、寝る体制に入るのですが・・・ここから、深夜の戦いが始まります。戦いは、寝付くための戦いです。24時ごろ、トイレ休憩。また、ベッドに戻って、ゴロリゴロリ。1時ごろ、トイレ休憩。また、ベッドに戻って、ゴロリゴロリ。1時30分ごろに、なんとか、意識不明。

ベッドに入って2時間ぐらいは、戦闘モードです。いっそのこと寝ないで、ずっと、本でも読んでいればいいじゃない・・・というのは、素人の意見。明日の仕事を考えると、すこしでも睡眠をとって、元気に出社したいと思うのが、勤勉なサラリーマンの健全なプロ意識でしょう。

睡眠障害の対応と治療ガイドライン」(厚生労働省)によると、「就寝時間にこだわりすぎない」「同じ時刻に毎日起床」とのこと。また、「睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分」とのこと。なんだ、23時ベッドインという固定習慣を、眠くなったらベッドインに変えればいいのでは??

はい、余談は終わりで、大城密さんは、この小説が処女作だそうです。ぼくが、まったくの新人の本を読むのはめずらしいことですが、紀伊国屋で平積みされていたカバーを見て、手に取りました。お気に入りワードが、「下町アパート」「管理人」なんですね。ぼくの大好きだったコミック、「メゾン一刻」の雰囲気をなんとなく思い出します。

舞台は、浅草。アパートの名前は<メゾン・シグレ>。築70年の西洋建築。うむ、いよいよ、「メゾン一刻」の世界です。しかも、管理人さんは、幼馴染の「かすみ」。ますます、「メゾン一刻」です。そして、主人公は、食えないカメラマンの泉岳喜壱といいます。

<メゾン・シグレ>とその周辺で起こることは、不思議なことばかり、不思議なこと、これを解決するために、霊媒師のような「かすみ」の助手を務めるはめとなる喜壱。

『かすみが語ることを疑うわけにはいかない。
「人間の体には、<魂>が入っている。体と精神と魂がバランスよく存在することによって人間は正常に生きられるの。でもね、魂はたまに人の体から欠け落ちてしまう。その欠けてしまった魂を<魂片>というの」
と、かすみは言った。』

さらに、恐ろしいことには、

『魂片を落とした人間には魂の隙間ができる。その隙間には<這魔>が入り込みやすい。奴らは魂片を落とした人間に好んで取り憑く。操り易いからね。這魔に取り憑かれたら、本人も自分では制御不能になる。そして最悪には死が待っている』
「死が待っているって、そんな大袈裟な」
「<這魔>というのは、そのままの意味で<這い出て来る魔物>ってこと」』

ぎゃーーーーー!怖いね。這魔に取り憑かれないように気をつけましょう。