「ミッション建国」

「ミッション建国」 
楡 周平
平成29年4月25日第1刷発行
角川文庫

暑い!暑い!暑い!の3連発。

会社に居れば、クーラーが効いていて、ぼくのオフイスで「26度設定」・・・・うむ、快適です。政府の呼びかけでは、「28度設定」ですが、ダメダメ・・・「26度設定」が一番快適です。クールビズでちょうどいい具合ですし、ホットコーヒーもおいしい温度ですね。

それでも、梅雨が明けて、湿度が下がったので、サッパリしています。ただ、無駄に暑いだけ。それでも、夕方になると、お日様の威力もダウンするとみえて、幾分、過ごしやすくなります・・・が、クーラーは、じぇったい、必要です。クーラーが壊れたら、悲惨だろうな・・・と、あってはならない悲劇を想像すると、身震いして、涼しくなりますよ。

この無駄に暑い温度を、エネルギーに効率よく変換できればいいのにと思いますが、それが、太陽光発電ですかね。そうそう、福島の原発事故、電力自由化のころには、代替エネルギーの議論が活発でしたが、最近は、どうなんでしょうかね。なんだか、原子力発電が、ジワリジワリと復活しているように感じますが・・・これで、いいのでしょうか?

そうそう、もう一つ、気になるニュース。PBの黒字化の先延ばしとのこと。借金を返すために借金をしている国の予算の健全化は、喫緊の課題だと思いますが、政府は、どうなんでしょか?出口が見えない話ですが、決して、看過することはできないと思います。マスコミは、もっと、キャンペーンをはってでも、この問題を、常に国民に投げかけるべきだと思います。朝日新聞さんどうですか?

楡周平さんの政策提言小説。「プラチナタウン」は、高齢化社会がテーマでした。「ミッション建国」は、少子化対策がテーマです。

登場人物は、実在の政治家を思い起こさせる設定になっています。

『多賀谷はそれに備えよ、新しい国造りのプランを考えよといっているのだ。
憲法改正を目指すのは結構だ。しかしね、肝心の日本人がいなくなってしまったのでは意味がない。人がいてこその国家、憲法じゃないか。いまの政治がまず目指さなければならないのは、国民が安心して子供を産み育て、労働に勤しむことができる社会を造り上げることだよ」』

多賀谷とは、どうも中曽根さんのようです。言っている相手は、史上最年少で青年局長になった甲斐孝輔って、これは、どうも小泉さんのようです。といった具合で、登場人物は、おおむね、現役の政治家に当てはめることができそうです。

楡さんは、少子化対策の一丁目一番地は、住宅対策と考えているようです。

ぼくが思うに、高度成長の頃、企業は、雇用対策として、社宅、独身寮、単身赴任寮を建設して、社員への福利厚生として、住宅を安価に提供してきた。バブル崩壊後、低成長時代に入って、企業は、社宅などを売却して、社員の住宅は、自己責任の方向に転換した。そのため、都心では、住宅費の家計に占める割合が高くなっている。これでは、子供を持ちたくても、・・・・。となる。たしかに、テレビコマーシャルは、賃貸不動産会社のCMが多い。それだけ、需要が多くなっているということです。

『「少子化に歯止めをかけるためには、出産年齢をいかに下げるか。つまり、若くして子供を産める環境を整える以外にあり得ません。ところが現実は結婚をしても子供は持てない。生んでも育てられない。いまの社会構造がそうなってしまっていることに、最大の問題があるんです。それを改善する政策を講ぜずして、どうして少子化が改善されますか」』

甲斐が、描き出す少子化対策とは、そして、その政策を実現するためのプロセスは?はい、政治家の皆さん、読んでみましょう。