「史伝 西郷隆盛」

tetu-eng2018-02-04

「史伝 西郷隆盛
海音寺 潮五郎
2017年2月10日第1刷
文春文庫

海音寺潮五郎とは、懐かしい歴史小説の大家の本を読みました。海音寺さんは、鹿児島県の出身のため、「西郷どん」の研究では、有名な方でした。司馬遼太郎より、少し、上の年代だったでしょうか?いずれにしても、海音寺史観は司馬史観とともに、歴史小説家としての一時代を築いた方だと思います。ぼくが、一番記憶に残っているのは「天と地」。上杉謙信の物語。NHKの大河ドラマにもなりました。

そもそも、ぼくは、長州の出身のため、薩摩とは、「蛤御門の変」以来の宿敵であり、西郷や大久保は好きになれないのです。なんて、旧時代的なことを言いましたが、司馬遼太郎の「翔ぶが如く」は読みましたね。「西郷どん」はそれ以来かな?

「史伝 西郷隆盛」は、「西郷どん」の青年期・・・・僧の月照錦江湾で入水した頃まで・・・・を題材にしたものです。したがって、西郷なる人物の人間形成の過程の初期を読むことができます。読み物は、司馬遼太郎よりも砕けた文体ですが、海音寺史観があちらこちらに散りばめてられています。

そうそう、ちょうど、今、大河ドラマで放映されている場面ぐらいが題材となっています。島津斉彬西郷どんとの関係・・・・でも、藩主と西郷どんとでは、随分と身分の差があるのですが、なぜ、交わるようになったのか?その辺りが、いまいち、疑問ですが・・・?

この頃の薩摩、長州、土佐では、下級武士が台頭して、明治維新へのエネルギーとなるのですが、なぜ、台頭していくことができたか?その辺りが、もう少し、わかると面白いかも!うむ、海音寺と司馬の対談集「日本の歴史を点検する」(講談社文庫)を読むといいかも。今度、アマゾンで買って読んでみよう。

今年は、幕末イヤーですね。

お話は、余談に移りますが、今、お気に入りの歌があります。

竹内まりやの「人生の扉」。ウクレレ伴奏の弾き語りで、毎夜毎夜、歌ってます。歌詞のを紹介しますので、ユーチューブで聞いてみてください。いい歌ですよ。

『 春がまた来るたび ひとつ年を重ね
  目に映る景色も 少しずつ変わるよ
  陽気にはしゃいでた 幼い日は遠く
  気がつけば五十路を 越えた私がいる
  信じられない速さで 時は過ぎ去ると 知ってしまったら
  どんな小さなことも 覚えていたいと 心が言ったよ

  I say fun to be 20
  You say it's great to be 30
  And they say it's lovely to be 40
  Bue feel it's nice to be 50

  満開の桜や 色づく山の紅葉を
  この先いったい何度 見ることになるだろう
  ひとつひとつ 人生の扉を開けては 感じるその重さ
  ひとりひとり 愛する人たちのために 生きてゆきたいよ

  I say it's fine to be 60
  You say it's alright to be 70
  And they say still good to be 80
  But I'll maybe live over 90

  君のデニムの青が 褪せてゆくほど 味わい増すように
  長い旅路の果てに 輝く何かが 誰にでもあるさ

  I say it's sad to get weak
  You say it's hard to get older
  And they say that life has no meaning
  But I still believe it's worth living
  But I still believe it's worth living 』

90歳を超えて生きるかもしれませんが、老いるのは悲しいこと、老いるのはつらいこと、でも、生きるってすばらしいこと。わたしはそう信じている。