「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」

tetu-eng2018-04-29

「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」
辻村 深月
2012年7月31日第6刷
講談社文庫

今年の本屋大賞は、辻村深月さんの「かがみの孤城」に決定しました。

ということで、何時ものとおり、書棚を漁ってみたら、辻村深月さんの「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」を見つけました。彼女の作品では、デビュー作の「ツナグ」は読みましたね。面白かったと記憶しています。ライトなサスペンスというかミステリーものだったと思います。この作品も同じく、ライトなサスペンスもの若しくはミステリーですが、底流に親子の愛情、女友だち(幼馴染の友情)がテーマになっています。

言い争っている拍子に母親を包丁で刺してして、失踪してしまった「チエミ」。幼馴染の「みずほ」は、失踪した「チエミ」を捜し出そうと、彼女の足跡をたどっていきます。なぜ、「チエミ」が母親を殺害してしまったのか?そして、なぜ、失踪したのか?どこに身を隠しているのか?点がつながり、線となり、事実が少しずつ明らかになっていきます。

「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」は、ずばり「0807」です。当たり前か?さて、この番号は、何を意味するのか?それが、キーとなりますが、それは、ここでは書けませんので、この本を読んでみてください。

どのような小説でも?(たまには、途中で挫折(読むのを止める)する作品もありますが・・・)読み始めは、なかなか、入り込めないものです。しかし、読み進むに従い、読むスピードが上がり、最後には、就寝時間を忘れることもあります。さすがに、小説家というのは、当然ですが、文章のプロフェショナルです。

そうは言っても、ちょっと前に挫折した小説があります。桜庭一樹さんの「私の男」です。直木賞の受賞作ですが、どうも、ぼくの趣味に合わなかったですね。読みはじめから、近親相姦がテーマになっており、なんだか、ドロドロした感じ。この手の小説は、好きではありません。

もともと、スッキリ系の青春小説、恋愛小説、読んでいて楽しい小説が好みですから、そういった意味では、純文学系よりは、ライトノベル系が好みなのですね。そう、読書は好きですが、文学が好きなのではなく、読書によって誘われる「お気楽な世界」がすきなのでしょう。要するに、気分転換、リラックス効果を求めているのでしょう。

だから、ぼくは、文学老人ではなく、ただの読書老人なのです。

今週は、面白いこともなかったので、あっ、「南北対話」があったけど、時事放談は、来週にします。