「ラプラスの魔女」

tetu-eng2018-05-20

ラプラスの魔女
東野 圭吾
平成30年2月15日第1刷
角川文庫

先週の健康診断の診察でショッキングな出来事。

聴診器を当てた先生曰く「うむ、不整脈ですね」「えっ、飛んでますか?」「飛んでますね。過去に言われたことは?」「2年前にどきどきするので、循環器クリニックで診察を受け、不整脈といわれました。」「そのときは?」「先生にひざを叩かれ気楽に生きましょうって言われました。」「多分、期外性収縮だと思います。名前を覚えておいてください。」

・・・・名前を覚えておいてどうするのだろう???まあ、心電図の結果は来週になるだろうから、それまで、ドキドキですね。ちなみに、期外性収縮とは、主な原因はストレスらしいです。心臓の病的な問題ではなく、生理現象らしいです。「心臓のしゃっくり」とも言われているらしいです。そろそろ「終わった人」(いま、読書中の本のタイトル)の年齢になると身体もくたびれていろいろなことがあります。受け入れるしかありませんね。

同年代の西条秀樹(2こ下でしたが)が亡くなったのは寂しいですね。芸能人でも、ときどき同世代の病気での訃報があると年齢を意識しますね。思えば、昭和54年ごろ、新宿歌舞伎町のディスコで「ヤングマン」を大勢の若い男女が入り乱れて踊っていたことを思い出します。ぼくも、何度か、その輪の中に乱入して、汗をかきました。ABBAのディスコミュージックもその頃でした。みんなで、同じステップを踏むのは、まるで、運動会みたいでしたね。

そのあと、ぼくは、ディスコの主戦場を六本木に移して、会員制のクラブで落ちついた雰囲気を堪能しました。バブルの前の時代のお話でした。

東野圭吾さんが大ブレイクしたのは、ご存知、「ガリレオシリーズ」でしたが、相変わらず、理科系の出身を活かして、この小説は、「硫化水素」がキーワードでした。「硫化水素」とは、温泉地などで噴出している卵の腐った様な匂いの有毒ガスらしいです。

二つの温泉地で発生した「硫化水素」による死亡事故。これは、ほんとうに事故なのか?それとも、人為的な事件なのか?そして、二つの温泉地に現れた自然現象を予測することができる二人の青年と少女。事故か?事件か?地球科学の研究者・青江が真相を究明する。

『「もし、この世に存在するすべての原子の現在位置と運動量を把握する知性が存在するならば、その存在は、物理学を用いることでこれらの原子の時間的変化を計算できるだろうから、未来の状態がどうなるかを完全に予知できるーーーー」「ラプラスは、このような仮説を立てました。その存在のことを後年、ラプラスの悪魔と呼ばれるようになります。』

未来の状態が予測できれば、こんな便利なことはないでしょう。まず、自然災害を事前に予測できるので、被害を最小限度に抑えることができます。ただし、この予測を信ずるか信じないかの選択はありますが、未来は、人工知能やスパーコンピューターなど、いや、まだ見ぬ新技術により、膨大な過去のデーターを解析して、さまざまな予測ができる社会がやってくるのでしょう。

この小説は、人間が脳のある手術によって、そういった力を持つことになるのですが、こんなことは、まあ、未来でも、あり得ないでしょうね。だから、「ラプラスの悪魔・・・魔女」なのでしょうね。