「和僑(わきょう)」

tetu-eng2018-06-10

和僑(わきょう)」
楡 周平
平成29年8月20日第1刷
祥伝社文庫

毎週、毎週、ぼくの体調の話で恐縮ですが、同じような症状でお悩みの方の参考になればと思い、カミングアウトしています。

さて、2週にわたって「不整脈」について、書きましたが、この件について、ぼくのメンタルの主治医のカウンセリングを受けました。なにせ、「上室性期外収縮」の主な原因は、ストレスらしいので。というか、それ以外でも、些細なことでイライラしていたこともあり、併せて、相談したのです。

主治医曰く「古典的な神経症ですね。別の症状が出たら、今の症状は消えるでしょう。」「そうですか。」「19世紀的な神経症です。」「それって、教科書的ということですか?」「そうです。フロイトを読んだことはありますか?」「相良先生の「心理学概論」は読みました。40年前ですが・・・」「フロイトを読んでみたら・・・」「はい!ところで、ぼくの症状は?」「そのうち、忘れるでしょう。」「えっ、はい!」

帰宅して、早速、アマゾンで、フロイトの「精神分析入門(上・下)」(新潮文庫)を注文して、お届けを楽しみにしています。今更、フロイトなんて読めるかな?と、思いながら、フロイトに一縷の望みを託しています。って、、、、、カウンセリングって、こんなのでいいのかね?でも、ぼく的には、案外、いいネ!です。フロイトが楽しみです。

楡周平の「プラチナタウン」(老人定住型施設)の続編です。「和僑(わきょう)」は「華僑」をもじった造語です。老人人口も、やがて減少していくと「プラチナタウン」の将来は、ゴーストタウンになってしまいます。その前に、新しい町の活性策が必要になる。

これは、現在の日本が抱える大きな課題です。少子高齢化。今、少子化問題だけがクローズアップされていますが、老人人口も増加のあと、急速な減少が始まります。老人福祉施設が、「雨後のたけのこ」のように新設されていますが、団塊の世代が80歳を超える10年後からは、入居者の勧誘合戦になるでしょう。

医療費、年金などの財源問題が取りざたされますが、案外、あと10年のピークを超えると、この問題は、急速に収斂されるのではないでしょうか?当然、政府では試算されていると思いますが、その辺に、焦点を当てた論評は、あるにはありますが(日本の年金は大丈夫みたいな)、あまり、クローズアップされませんね。

余談になりましたが、この小説は、人口が減少する日本に活路を見出すのではなく、日本の農業、畜産業などの第一次産業を活性化するために、日本のソウルフードを海外に売り込もうとするプランを模索する人々の物語です。その人々を「和僑」と呼んでいます。

楡周平さんの作品は、「プラチナタウン」「和僑」「ミッション建国」など、日本の抱える課題に対する実践的な政策提言型の小説です。政治家の皆さんも、読んでみると、政策ヒントになるかもしれませんよ。もちろん、そのまんまでは、現実的ではないと思いますが・・・・・。