「過ぎ去りし王国の城」

tetu-eng2018-07-29

「過ぎ去りし王国の城」
宮部みゆき
平成30年6月25日第1刷
角川文庫

宮部みゆきさんは、様々なジャンルの小説を書く、幅の広いマルチ作家さんです。この本は、中学生の男の子と女の子が主役のファンタジック・ミステリーですね。

あるとき、中世ヨーロッパのお城の絵を拾った真(しん)は、その不思議な魅力に取り付かれる。そして、同級生の珠美(たまみ)に、その絵の不思議を相談する。その不思議とは、その絵に分身(アバター)を書き込むと絵の世界に入り込めるということです。

『「実は、絵のなかに人が入ってしまうって話しは、珍しくない」
「マジ?」
「小説で」
何だ、作り話かよ。
「絵のなかから人が出てくるって話もあるし、絵が変化するって話もある。肖像画が歳をとっていくとか」
・・・・・
「絵に描かれたものは、ひとつの世界。絵に描かれたものには、作者の思いがこもる。その思いは願望かもしれないし、祝福かもしれないし」
いったん言葉を切ると、息を詰めた。
「------呪いかもしれない。優れた絵画には、呪術的な力があるんだ」』

美術部員で絵の得意な珠美は、真と珠美のアバターを絵に書き込んで、絵の世界に入り込み、彼らの冒険が始まります。という、ファンタジックな小説です。でも、絵の世界に入り込むことにより、二人のエネルギーは吸い取られます。さて、この冒険の行き先は・・・・・。

絵の世界に入り込めるとすれば、当然、風景画ですね。あなたは、誰の、どんな絵の世界に入り込んで、どういった冒険をしたいですか?ぼくは、有名な画家である必要はありませんが、世界各地の景勝の地に入り込んで、1時間ぐらい、ゆっくりと寝そべってみたいですね。これって、ドラエモンの「どこでもドア」みたいですね。

でも、エネルギーを吸い取られるのは勘弁して欲しいです。それでなくても、エネルギー不足で、「疲れた!疲れた!」の連発ですから・・・。

話は余談になりますが、「糖質制限で老化する!」なんて、記事(「文藝春秋」)を読みました。最近の常識では、糖尿病予防などのために、「糖質制限」は常識かと思ったら、そうでもないということです。

要するに「お米」なのですが。糖質は、エネルギーの源であり、これを制限すると、違った食物で補充しようとする。例えば、お肉など。そうすると、逆に脂質が増える。動脈硬化のリスクが増える。なんて、・・・ことらしいです。

ぼくは、三食「お米」派なので、「糖質制限」なんて、その気はさらさらありませんが、要するに、医学の世界も、様々な考え方があるということです。いろいろな海外の臨床データーで健康管理を考えても、所詮、日本人と西洋人とは、DNAが異なり、日本人にそのまま適用性があるかと言うと、その検証がなされていないということらしいです。

日本人は、昔からの日本食が一番でしょう。お米、納豆、梅干、干物、お味噌汁。朝食の定番です。そうそう、「らっきょ」は、「畑の薬」と言われてるらしいです。昔から。そして、緑茶を飲む。これぞ日本人。