「三四郎」

tetu-eng2018-08-05

三四郎
夏目漱石
平成14年9月20日第124刷
新潮文庫

東から西に、西日本を横断した台風12号。台風通過後、久しぶりに「虹」をみました。スマホでパチリ。「虹」が写っているのがみえるかな?目を凝らしてください。

そして、読書雑感も久しぶりに、夏目漱石の「三四郎」です。

なぜ、いま、「三四郎」か?

「知の巨匠」と呼ばれる河合隼雄先生の「青春の夢と遊び」という青年心理学をテーマにした本を読みかけたところ。三四郎を患者と見立てて、河合先生の心理分析が始まりました。となると、もう一度「三四郎」を読まないと、どうも、筋が見えにくい・・・ということで、何度目かの「三四郎」を読みました。

平成14年に購入した文庫本です(昭和53年の文庫本もありました。)。このとき、すでに124刷。重版は、5万部から20万部が普通なので、仮に、10万部としても、1,240万部も発行したことになりますね。お〜!「三四郎」おそるべし。

これだけ、発行されているので、「三四郎」のストーリーについては、みなさんご存知なので、主な登場人物の名前を紹介することで、記憶を新たにしてください。

『主な登場人物は、つぎのとおり。
小川三四郎・・・・熊本の第五高校を卒業して、上京、東京帝国大学の文科に入学
里見美禰子・・・東京で、三四郎が想いを寄せる自由気ままな都会の女性
佐々木与次郎・・・三四郎の同級生、大学で親しくなり、三四郎が影響を受ける
野々宮宗八・・・三四郎の郷土の先輩、理科大学で、光線の質量の研究に没頭
野々宮よし子・・・宗八の妹、美禰子と親しく、美禰子の家に同居
広田先生・・・与次郎の下宿している高等学校の先生、「偉大なる暗闇」などなど』

美禰子が結婚する前に、原口という画家のモデルとなった等身大の油絵のタイトルを与次郎が評して、三四郎は・・・・。

『「どうだ森の女は」
「森の女と云う題が悪い」
「じゃ、何とすれば好いんだ」
三四郎は何とも答えなかった。
ただ口の内で迷羊(ストレシープ)、迷羊(ストレシープ)と繰り返した。』

高校生の頃から「三四郎」は何度読んだろうか?(さすがに、高校時代の文庫本はなかった。)ぼくが、一番、多く読み返してる本ですね。河合先生の「青春の夢と遊び」と併行して読んでみると、また、新しい「三四郎」に出会えたような気がします。

あ〜、このあと、漱石の前期三部作「三四郎」「それから」「門」、後期三部作「彼岸過迄」「行人」「こころ」と、引き続き、漱石漬けになりそうです。

漱石のような著作権の切れた小説は、インターネット電子図書館青空文庫」で読むことができるのですが、・・・・やはり、本のページをめくりながら読むほうが、いいですよね。