「ビブリア古書堂の事件手帖〜扉子と不思議な客人たち〜」

tetu-eng2018-11-11

ビブリア古書堂の事件手帖〜扉子と不思議な客人たち〜」
三上 延
2018年9月22日初版
メディアワークス文庫

紀伊国屋をブラブラしていて、偶然、平積みしている「この本」を見つけました。シリーズ7で終わったかと思っていたのに、番外編なのかな?ちょうど、11月から映画化されて公開されているので、それに併せた営業戦略か?まあ、とにかく、「ビブリア ファン」としては、当然、即、購入です。

このブログでも、なんども登場した「ビブリア」です。2011年にシリーズ1を発刊して7年。おおむね、1年に1冊のペースで発行されています。筆者「あとがき」を読むと、「いずれまた登場するかもしれません。」「今後ともこの物語にお付き合いいただけると嬉しいです。」のコメントがあるので、まだ、来年、続編が出るのかもしれません。

ファンとしては、乞うご期待です。

ビブリア古書堂のシチュエーションが大きく変わりました。第7巻で、店主の篠川栞子(しのかわ しおりこ)とアルバイトの五浦大輔が結婚して、ハッピーエンドだったのですが、あらま、ビックリ。もう、篠川扉子(しのかわ とびらこ)という6歳の娘が誕生しました。扉子は、お母さんに似て、読書が大好き、しかも、本に関する興味が尋常ではありません。これも、お母さん似です。

今回も、古書を巡り、人から人に受け継がれる物語が四話。その物語を、栞子が扉子にお話しするというストーリーになっています。いままでのシリーズとは、すこし異なったスタイルですが、あいかわらず、栞子の古書の知識と、それにまつわる人々の洞察が面白い。そして、それに扉子のおしゃまな愛らしさが物語のスパイスになっています。

今回登場する古書は、第一話「北原白秋 与田準一編『からたちの花 北原白秋童謡集』」、第二話「ファイナルファンタジー? ピアノ楽譜」、第三話「佐々木丸美『雪の断章』」、第四話「内田百聞『王様の背中』」です。

『「『雪の断章』という本そのもののお話も、お母さん一つ知ってるわ。それも一緒に聞きたい?」
「うん、聞きたい!」
扉子が打てば響くように答える。二人は食堂のカウンターに移動して、スポンジの硬くなった丸椅子に腰かけた。
「これはね、『雪の断章』という本を配っていた人と、受け取った人たちのお話だけれど・・・・」』

佐々木丸美の「雪の断章」は、ベタなミステリー小説らしいですが、かって、映画化もされたようです。著者が、なぜ、この本を題材としたのか、これは、「雪の断章」を読んでみないと判りませんね。こんど、アマゾンで探して取り寄せてみましょうか?こんな風に購入した本が、本箱に貯蔵されてしまって、何年かあとに陽の目を見るのですよね。

今回は、余談なしの読書雑感でした。