「日日是好日(にちにちこれこうじつ」

tetu-eng2018-12-09

日日是好日(にちにちこれこうじつ」
森下 典子
平成30年10月30日第31刷
新潮文庫

インフルエンザの予防接種。

昨年は、ワクチンが品薄とかいう話で、何箇所かの病院に問いかけて、結局は、家の近くの上田内科で接種することができました。でも、3月上旬に、インフルエンザが下火になった頃に罹患しましたが、熱は左程上がらず、軽くて済みました。

今年も、シーズンイン前に上田内科に行って予防接種。ところが、驚き!支払いのとき、「はい、1500です。」「えっ、4000円じゃないの!」「もう、65歳になりましたよね。」「はい!」「65歳からは1500円です。」「へぇ!そうなんだ!」そのとき、ぼくは、うれしいような、寂しいような、複雑な心境になりました。

そいえば、肺炎ブドウ球菌の予防接種のはがきが来ていたことを思い出したので、窓口で聞くと、「はい、1週間前に予約をしてください。今日、インフルエンザの予防接種をやってので、最低、1週間は間隔をあけないといけません。」「はぁ!そうなんだ。それでは、また、予約して伺います。」

やれやれ、65歳になって、急に、「高齢者」という「WORD」を意識してしまいました。ぼくは、何にも変わっていないのに、65歳という年齢を境に社会は、ぼくに「高齢者」というレッテルをつけあした。一方、労働力確保のため70歳までの雇用促進という動きもあります。まあ、それに達するには、遅くとも10年ぐらいかかるのでしょうが・・・。それまで、日本の社会構造は、維持できるのでしょうか?

ぼくは、すでに「高齢者」として、社会から一線を画された身なので、偉そうな事はいえませんが・・・。

そう、「「日日是好日(にちにちこれこうじつ」。

「高齢者」たるぼくは、この諺をモットーに生きていかねばなりません。晴れの日も、好日。雨の日も、好日。毎日が、どんな日であっても、「好い日」なのです。

樹木希林が主演の映画、秋に公開されたらしいです。樹木希林さんが亡くなって、彼女の生き様が脚光を浴びていました。ぼくも、テレビ番組で彼女のドキュメントを何本か観ました。ほんとうに、気負うこともなく、一本の筋の通った生き方をされた女性であることを知りました。とくに、彼女の手紙がいいですね。「漱石山房」の原稿用紙に万年筆で書かれた気取りのない文章は、書簡集として出版されてもいいんじゃないでしょうか。

ぼくも、手紙を書くことは好きなのですが・・・父母が健在のときは、毎週、手紙、はがきを書いていました・・・電話があるのにね。

そうそう、この本、副題が「「お茶」が教えてくれた15のしあわせ」です。「お茶」の指南書というほどではありませんが、「お茶」の勉強になりますね。こういう本を読むと「お茶」をやってみたいと思うのです。感化されやすいぼくは・・・ね。

『過去や未来を思う限り、安心して生きることはできない。道は一つしかない。今を味わうことだ。過去も未来もなく、ただ一瞬に没頭できた時、人間は自分がさえぎるもののない自由の中で生きていることに気づくのだ・・・・。』

うむ、まさに「禅」の道にも通じるものがあります。ちなみに、ぼくは、毎週、龍象院へ坐禅に通っています。

『雨の日は、雨を聴く。雪の日は、雪を見る。夏には、暑さを、冬には、身の切れるような寒さを味わう。・・・・どんな日も、その日を思う存分味わう。
お茶とは、そういう「生き方」なのだ。』