「慈雨」

「慈雨」
柚月裕子
集英社文庫
2019年5月25日第3刷

 

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今週、現場説明があった。

なんの?

シルバー人材センターに登録したことは、すでに、書いたとおり。コーディネーターからオファがあり、散水を請け負うことになった。その現場説明です。来週から9月初旬まで、夏の真っ盛りです。当たり前か。散水の仕事は、夏だからあるのですね。ぼくは、火曜日と金曜日の9:00から12:00までの散水です。

請け負った以上は、キッチリとやらなければいけません。まず、必要なアイテムを揃えること。形から入るのが「ぼく流」。早速、カインズに行って、長靴、麦わら帽子、手袋、塩飴などを調達。作業服は、前の会社から支給されたものがあるので、それでOK。

さらに、散水作戦の立案が必要。いかに効率的に作業を完遂するか。散水エリア図面をひろげて、散水栓の位置を確認。そこからホースの長さの縮尺をコンパスで描き、散水エリアを作図。そして、おおまかな散水のイメージを作りました。あとは、現地で思い描いたとおり作業ができるか?現場合わせで臨機応変にやっていくのみです。

とにかく、暑い季節なので、熱中症対策は、十分に行い(前の会社では、この季節は、安全対策の最重要課題でしたね)、水分補給と30分おきの休憩を念頭に置いて、頑張ります。この奮闘記は、来週に。乞うご期待。

さて、読書雑感、初登場の柚月裕子さんの小説です。以前、本屋で「検事の本懐」を立ち読みしましたが、なんだか、城山三郎の「男子の本懐」のパクリタイトルみたいだったので、買わなかったことを記憶しています。でも、この小説を読んで、いま、ちょっと、心が動いています。

『香代子は坂の途中で立ち止まり、手ぬぐいで額の汗を拭くと、金剛杖を握りしめて神場に言った。
「あなた、行きましょう。八十八番札所はもう少しよ」
香代子に促され、坂を再び歩きはじめる。
夏の盛りの日差しが道路に反射し、あたりが白く光っている。
ふと涼しげな風が吹いた。
「お天気雨だわ」
お遍路笠に手をあてながら、香代子が空を見上げた。
晴れた空から、雨粒が落ちてくる。雷雨でも、豪雨でもない。優しく降り注ぐ、慈しみの雨。
------慈雨だ。』

 県警捜査一課の刑事を退官して、妻と二人で四国八十八か所の巡礼の旅に出た神場と香代子。第一番札所の徳島の霊山寺から第八十八番札所の香川の大窪寺まで、二か月に及ぶ歩き遍路の順打ち。遍路道では、「おもてなし」の訳アリの女や、事情のある男との出会いなど。

お遍路にでた神場には、16年前の幼女誘拐殺人事件について、どうしても拭いきれない後悔があった。そんな旅先で後輩刑事の緒方から事件の相談があった。手口の酷似した幼女誘拐事件の発生。捜査は難航している。16年前の事件との今回の事件が重なり合う。

四国八十八か所の巡礼。バスツアーなどもあるらしいが、ぼくには、とても無理でしょうね。年を取ると仏頼み、神頼みが、多くなります。ぼくの坐禅通いも、同じ心持なのかもしれません。