「禅マインド ビギナーズ・マインド」

「禅マインド ビギナーズ・マインド」
鈴木俊隆
 松永太郎訳
サンガ新書
2019年11月1日第15刷発行

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令和2年(2020年)、最初の読書雑感。


ぼくが、毎週、天台宗大山寺の塔頭である龍象院で座禅をしていることは、前に書きました。そこで、昨年から、「禅」というものに興味を抱き始めました。坐禅をしているが、「坐」は座ること、ならば、「禅」とはにか?坐禅を始めて、約2年になり、今更という気はしますが、これは、無所属になって余裕が出てきた証でしょうか。


そこで、昨年から、様々な本を読み始めました。なにせ、時間は売るほどありますから。まずは、軽めから、「禅的生活」(玄侑宗久 ちくま新書)、この本は、読書雑感で紹介しました。次に、「日曜に読む「荘子」」(山田史生 ちくま新書)。そして、やや学術的になりますが、「無心のダイナミズム」(西平直 岩波現代全書)。ここまでで、どうも、「禅」=「坐禅」というキーワードに辿り着きました。


そして、この本、「禅マインド ビギナーズ・マインド」(Zen Mind. Beginner’s Maid)

 
さて、この本は、日本人が英語で書いた本を、日本人が日本語訳したものです(ややっこしいね)。英語で書いた著者は鈴木俊隆師。なぜかというと、アメリカ、サンフランシスコでの曹洞宗の布教の入門書だったようです。実際に出版されたのは、1970年。今から、50年前のことです。なんと、世界24か国で翻訳された「禅」のバイブルらしいです。


しかも、アップル創業者のスティーブン・ジョブズが愛読したらしいです。そして、今、多くの企業などで研修の講座に取り入れられている「マインドフルネス」のヒントになったのが、まさに、「禅マインド」らしいです。


ここで、基礎知識として、「禅」の歴史を簡単に、
まず、中国禅は500年ごろ達磨大師を起源とするらしいです。「面壁九年」は有名な話です。その後、日本に入ってきたのは、1200年前後(ときは、鎌倉時代、中国では宋の時代)、栄西開祖の臨済宗道元開祖の曹洞宗が日本禅の始まりらしいです。当時、日本は、武家社会への移行時期であり、従来の天台・真言から、武家社会に受け入れられたのが禅宗らしいです。このあたりは、学校で習った日本史の知識です。これ以上は、今、お勉強中です。

 

『BEGINNER’S MAIND
 In the beginner’s maid there are many possibilities, but in the expert’s there are few.
 初心者の心には多くの可能性があります。しかし専門家といわれる人の心には、それはほとんどありません。』

 
プロローグは、「初心」から始まります。
そして、「禅の神髄」に迫ります。

『The Marrow of Zen
 In the zazen posture, your mind and body have great power to accept things as they are, whether agreeable or disagreeable.』

 
みなさまも、一度、読んでみてはいかがでしょうか。