「おら おらで ひとりいぐも」

「おら おらで ひとりいぐも」

若竹千佐子

河出文庫

2020年6月30日初版発行

 

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 はい、誕生日を迎えて、67歳になりました。体組成計にのったら、しっかりと前日までの「66」の表示が「67」になっていました。あ~、体組成計に、また、ひとつ年を取ったことを教えられました。ずっと、「66」でいいのに、機械は情け容赦なしです。

 

ちなみに、身長「180」、体重「68」、BMI「21」、体脂肪率「16」、・・・。体脂肪率を「15」以下にしたいのですが、ほんの少しが難しい。といって、左程、努力をしているわけではないので・・・。こんなものでしょう。ほぼ、ほぼ、フィジカル面は、健康ですね。ただし、メンタルがね~ぇ?

 

突然ですが、やっちゃいました!

 

そもそも、このブログを書き始めたキッカケは、同じ本を2冊、買ってしまったことにあります。ブログで、読書雑感を書けば、読んだ本の印象が深まり、同じ本を買うことはないだろう。との期待でした。

 

ところが、「おら おらで ひとりいぐも」、映画化、2020年秋公開、カバーは田中裕子、で、衝動的に買っちゃいました。よく見ると、小さい字で、芥川賞文藝賞のW受賞の感動作。って書いてありましたよ。

 

「うむ、芥川賞なら、『文藝春秋』で、毎年、読んでいるよな。」と、思って、ページをめくると、「あっ、あの全編、東北弁の・・・あの本、1年前ぐらいに・・・」

ピンポーン!ブログの検索で探してみると2018年3月に読書雑感に書いていました。

 

「が~ん!65歳のとき読んだ本のタイトルを67歳(正確には、66歳11か月)のときには忘れてしまったのか??」

『あいやぁ、おらの頭このごろ、なんぼおかしくなってきたんでねべが

 どうすっぺぇ、この先ひとりで、如何(なんじょ)にすべがぁ

 如何(なんじょ)にもかんじょにもしかたながっぺぇ』

 

この本の巻頭部分です。いまのぼくの心持ちにピッタリ。

 

ちょっと、言い訳をしますと、『文藝春秋』は月刊誌で、2段組の雑誌です。この本は、河出文庫の装丁のカバーもある文庫本です。姿かたちが違う。本というのは、中身もさることながら、装丁、挿絵、単行本、文庫本、雑誌などなど、それぞれ全体を含めて『the Book』なのです。

 

したがって、雑誌で読む「おら おらで ひとりいぐも」と文庫本で読む「おら おらで ひとりいぐも」は、まったく、別物であるということです。

 

ということで、新鮮な気持ちで「おら おらで ひとりいぐも」を読了しました。

 

桃子さんは70代、一人で、東北から上京して、2人の子供を育て上げ、夫の周蔵と平穏な老後を過ごすはずでしたが、最愛の夫を亡くし、一人暮らし。長男の名をかたる「オレオレ詐欺」にひっかかるし、長女は年金目当てのわがままを言うし、子供とは、やや疎遠。

 

桃子さんの頭のなかは、「東北弁のことば」が飛び交っている。今頃になって、なぜ、東北弁だろう。東北弁で、桃子さんの回想がはじまる。田舎のこと。上京した時のこと。周蔵との出会い。子育て。まさしく、東北弁が、めくるめく桃子さんの世界を紡ぎだす。

 

東北弁の文章は、読みにくいが、味があるのは、なぜ?ぼくは、西の生まれだから、博多弁や広島弁などの西の方言は、違和感がないが、東北弁は、やはり、苦手かも。この小説、パソコンで書いたのでしょうが、不規則な小文字を打つのはめんどくさいよネ。