「君が夏を走らせる」

「君が夏を走らせる」

瀬尾まいこ

新潮文庫

令和2年7月1日初版発行

  

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また、また、コロナが流行しだしました。第三波。兵庫県の感染者も、更新、更新の連続です。100人超は、もうすぐです。そうならなければいいですが・・・。毎日の情報番組は、また、感染症のお勉強みたいです。

 

とにかく、原理原則に忠実に、「三蜜」を避けること、マスク、消毒、手洗いの励行ですかね。ちょっと、ぼくも、揺るぎ気味ですね。反省!反省!なんせ、高齢者ですから・・・。

 

話は変わりますが、もう、年賀状の季節ですね。今年も、200枚、買ってきましたよ。今月、印刷して、来月は、宛名書きをします。最近は、表も裏も、印刷の方が多いようですが、せめて、宛名書きくらいは、と、下手な字ですが、頑張っています。

 

宛名書きを見ると、あ~、これは、誰それの年賀状だな。と、懐かしく思うのも、正月の恒例でしょう。それと、ぼくは、下手なポストカードの水彩画を貼り付けています。来年の画は、「明石海峡大橋とフェリー」です。皆さまには、一足早く、公開しました。

 

さて、また、最近、お気に入りの瀬尾まいこさんです。

 

『「おお、鈴香じゃねえか。バイバイ」

俺が声をかけると、先輩に抱きかかえられた鈴香が大きな声で何やら叫んだ。

「なんだ、鈴香?どうした?」

アパートのほうに一歩近づくと、鈴香は手を振りながらさらに声を張り上げた。

「ばんばって!」

濃い色の西日に照らされた顔。まぶしい日差しの中でもまっすぐ見開く瞳。日に焼けて少しはしまって見えるようになったふっくらした頬。ちょこんとした鼻に淡い色の唇。この夏、間近でずっと見てきた顔に、俺も手を上げて応えた。

「おお。鈴香もな」

「ばんばって!」

「ああ、わかってる。わかってるぜ」

俺が手を振ると、鈴香は満足そうな顔で「ぶんぶー」と手を高く上げた。夕焼けが鈴香の指先まで照らしている。』

 俺(大田くん)は、十六歳。ろくに高校にも行かないで、なにか、やりたいこともない。夏休み前、高校を中退した先輩から、突然の電話。嫁さんが出産のため、入院するので、1か月、先輩が会社に行っている間、娘の鈴香の面倒を見てほしい。とのこと。

 

鈴香は、1歳十か月。

 

そりゃ、無理でしょう。昔、子供が2歳のころ、同じ年ごろの女の子を1日だけ預かったことがあるが、とてもじゃないが、ヘトヘトに疲れてしまいました。高校生の男の子に、1歳十か月の女の子の世話なんて、できるわけがない。

 

そこは、小説ですね。俺も、断ったが、断り切れずに、1か月、鈴香の世話をすることになった。

 

さあ、案の定、大変、大変!俺と鈴香の奮闘記のはじまり!はじまり!です。

 

なんだか、子供の小さいころを思い出しました。瀬尾まいこさんの青春奮闘記でした。

 

なお、俺(大田くん)には、前作『あと少し、もう少し』でも出逢えるそうです。今度、逢いに行ってみようかな。