「九度目の十八歳を迎えた君と」

「九度目の十八歳を迎えた君と」

朝倉秋成

創元推理文庫

2020年11月20日初版

 

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近頃(ぼくにとって、・・・)、「顔出ししないアーティスト」がバズっているらしい(使い慣れない言葉を無理して・・・)。どういうことか・・・と言うと。正直、ぼくは、正確に理解はできていないかもしれませんが・・・。

 

むかしも、「ZARD」は、そうだったと思います。いまでも、ぼくの好きなアーティストなので、アルバムをCDカセットで聴いています(どんだけ、古い人間)。ちなみに、「aiwa」のテープ、CD、MDのスリーウェイカセット・・・って、博物館もの??

 

話を戻しますが、「ポケットからきゅんです」(ひらめ)、「ぎゅっと」(もさを)など、らしいです。ぼくは、この2曲をYouTubeで聴いてから、やや、はまり気味です。(もさを)は、ほんわかバックアートとほんわかソングが癒し系ですね。

 

とにかく、再生回数がすごい。(ひらめ)は、三百万回、(もさを)は、なんと二千二百万回・・・どんだけ!そうそう、「うっせぇわ」(Ado)は、1億回超。「正しさと愚かさとはそれがなにか見せつけてやる」・・・なんじゃ??とにかく、もう、CDなどの媒体で発信する時代ではないらしいです。

 

(ひらめ)さんが、あるテレビ番組に顔モザイクで出演していましたが、普段は、ケーキ屋さんで働いているそうです。夢は、ケーキ屋さんになることらしいです。

 

まあ、一度、YouTubeで聴いてみてください。「きみのドルチェ&ガッバーナの その香水のせいだよ」から、時代は、どんどん進んでいます。「歌は世につれ、世は歌につれ」。年寄りだからって、乗り遅れないように!(えっ、今頃、何、言ってるの?もう、1周遅れかも。)

 

余談が、長くなりました。いつものことですが。

 

創元推理文庫の小説を読むのは、ずいぶん、お久しぶりです。推理小説が嫌いと言うわけではありません。創元推理文庫は、海外ミステリーは定評があります。ぼくは、海外ミステリーは、あまり読まないので、ついつい、ご無沙汰しています。

 

さて、高校時代に好きな子が、8年後に、同じ高校生だったら、あなたは、どうしますか?

『似ている。という言葉を使う気になれなかったのは、彼女が本人であるとしか思えなかったからだ。記憶の経年劣化で少しずつ不鮮明になっていた彼女のイメージが、瞬く間に修正されていくのがわかった。これだ、これが本物じゃないか。俺の目はすっかり向かいのプラットホームに釘付けになった。』

もうすぐ30歳になる印刷会社の営業マンの俺は、二和美咲の姿に驚いた。そして、なぜ、彼女が、まだ、十八歳なのか?そして、なぜ、彼女が、十八歳でいられるのか?なぜ、自分だけが、彼女の不思議に気づいているのか?

 

俺は、高校時代の友人、恩師を訪ねて、その謎をときほぐす。といっても、読者が、驚くような奇想天外な結論ではない(あっ、言っちゃた!)。この小説、ミステリーというよりは、ほろ苦い、青春空回りの青春不思議小説。

 

教頭のキャラクターが愉快。こんな教頭が、高校時代にいたら、高校生活、もっと、面白かったかも。そんな教頭の一言。

『もがく子供には存分にもがいてもらった方がいい。もがく環境を整えてやるのが大人の仕事よ。結局、誰も年齢には勝てんのだから。』

ぼくは、もがく子供ではなかったかも?もっと、もがけばよかったのに。いや、今からでも遅くはない(It’s never too late.)。古希からが、もがく青春。