「D坂の殺人事件」

「D坂の殺人事件」

江戸川乱歩

創元推理文庫

1996年11月8日14版

 

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兵庫県姫路護国神社 護国神社は、国家のために殉死した英霊を祀るための神社。おおむね、各都道府県に1社ないし複数社あり、兵庫県は灘に、もう1社、神戸護国神社があります。姫路護国神社は、姫路城の中曲輪内にあり、姫路城は、すぐ近くです。

 

またしても、緊急事態宣言。ぼくのテニススクールは、インドアのため、兵庫県の要請により「多くの人が利用する屋内運動施設」ということで、休業要請に応じることとなりました。昨年に引き続き、宣言期間中は、テニスはお休みです。

 

ぼくがコロナ禍で、我慢していること。昨年から、大学図書館の利用、土曜日の午後の日帰り温泉、おおむね月1~2回の飲み会、宣言期間中のテニスなど。ステイ・ホームでの楽しみを、いろいろチャレンジしましたが、もうそろそろ、飽きてきましたね。

 

とにかく、細君以外のホモサピエンスとのコミュニケーションが、ほぼ、皆無の状態になっています。やはり、人間は、他者との交わりが必要でしょう。このままでは、ボケてしまいそうです。いくら、「本」が友達と言っても、「本」は、リアルに話しかけてはくれませんから・・・!

 

あ~、気心の知れた友人と、バカ話をして、大笑いがしたいね。そう、笑うことが必要なのです。一人で、声を出して笑うことも推奨されていますが、まあ、それも、毎日となると、空しくなってきます。ハァ、ハァ、ハァ~!ハ~~~ァ!

 

ということで、ぼくの友達の「本」の紹介です。

 

なぜ、江戸川乱歩か?先日、ぼくが、読者になっているブログに明智小五郎の紹介がありました。明智小五郎・・・ご存知ですよね。明智小五郎の初登場が、「D坂の殺人事件」なのです。

 

そこで、懐かしくなって、本箱を漁ってみると、ありましたよ。ぼくの本箱には、新刊本は、読むとすぐに、ヤフオクで売ってしまうので、ありませんが、古い本は、売り物にならないので鎮座しているのです。

 

もうちょっと、漁ってみたら、少年倶楽部文庫の「少年探偵団」と「怪人二十面相」もありました。パラフィン紙で包まれた古本ですね。子供の頃に、読んだ記憶はあるのですが、この本は、多分、古本屋で買って、そのままになったものだと思います。そのうち、読んでみようかな。

 

さて、短編推理小説の「D坂の殺人事件」ですが、・・・D坂とは、東京本郷の団子坂と言われています。大正14年頃の小説なので、現在とは、随分と、趣が変わっていたのでしょう。

 

D坂の古本屋さんの内儀が、何者かに殺害されます。その第一発見者が、「私」(小説の中の一人称)と明智小五郎です。そのころ、明智小五郎は、タバコ屋の2階に下宿している、いまでいう、フリーランス

 

現場は、まさに、人の侵入の形跡がなく、いわば密室状態。しかも、争った気配がない。ただし、被害者には、体中に、生傷があった。「私」の推理では、第一発見者の明智が犯人である・・・という、とんでもない勘違い。

『物質的な証拠なんてものは、解釈の仕方でどうにでもなるものですよ。いちばんいい探偵法は、心理的に人の心の奥底を見抜くことです』

さて、この事件の結末は、当時(大正時代)としては、衝撃的な内容だったと思います。ヒントは、「マルキ・ド・サド」です。