「ワイルドサイドをほっつき歩け」

「ワイルドサイドをほっつき歩け」

プレイディみかこ

2020年6月5日初版

筑摩書房

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 西脇Y字路 また、また、西脇Y字路。西脇は、Y字路の宝庫です。って、Y字路探しに、龍野辺りにはありそうかな?三木も、古いけどね?今度、そっち方面に、出かけてみよう。Y字路ハンター。

 

漸く、第一回目のワクチン接種が完了。次は、3週間後の7月上旬です。インフルエンザワクチンは有料ですが、コロナワクチンは無料。こんなに、何でもかんでも、お国のお世話になっていて、有難いことですが、いいのでしょうか?

 

何て言うのは、ぼくぐらいでしょうか?「ただ」ほど怖いものはない。震災復興特別課税と同じように、このパンデミックの見通しがついたら、コロナ特別課税で、なるべき早くに、財政の健全化に取り組まなければ、結局、孫子の世代に負担が付け回しされます。

 

日本国民は、「税金を取られる」と表現しますが、これは、間違い。税金は、納めるものです。このことは、憲法にもそう書いてあります。北欧諸国では、「税金を預ける」と表現するそうです。

 

これはいいかも!取ったのであれば、取った方は自由に使うと考えますが、預かったのであれば、預かった方は大事に使うのではないかな?そして、預けたのだから、将来、返してね・・・となります。これが、福祉大国の考え方。

 

税金は、納めるのではなく、預ける・・・と憲法を改正してはどうですか?憲法調査会さん・・・いかがでしょうか?

 

余談は、このぐらいにして、プレイディみかこさんを覚えていますか?「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」で紹介しました。「ぼくはイエロー」は、イギリスの教育事情を、生活者の目線で覗くことができ、随分と、日本とは違うな!という感想でした。

 

「ワイルドサイドをほっつき歩け」は、打って変わって、イギリスの中高年齢者の事情です。今回も、プレイディみかこさん、とその連れ合い、と二人の愉快な友人たちの生活者の目線(みんな中高齢者、労働者階級)で、とくに、EU離脱問題、医療制度の問題、階級社会問題などがテーマです。

 

コロナ問題もあり、イギリスの医療制度は、とりわけ、興味がありました。

 

『英国の医療制度と言うやつは、大まかに分けてNHS(国民保健サービス)とプライベート(民間医療施設)の二つに分かれる。で、早い話が、自分でお金を払って治療を受けられる人はプライベートを、無料で治療を受けたい人はNHSを利用することになる。』

 

ここまでは、えっ、イギリスでは、労働者階級が医療を受ける場合は、無料か・・・ということにビックリ。かの有名な「ゆりかごから墓場まで」という政策どおりです。

 

ところが、実は、病院に到達するまでがイバラの道らしい。病気になったら、

 

『まず自分が登録している地域の診療所に行って、GP(ジェネラル・プラクティショナー)という、ほんとうにジェネラルに何でも診てくれる(まあだいたいは話を聞くだけの)主治医に診てもらわなければならない。』

 

まず、このGPのアポをとるのに一苦労するらしい。さらに、専門医の診断を受けるのには、GPから紹介状を貰って専門医の予約をとるらしい。そして、専門医の診察を受けるまで2か月ぐらいかかることも・・・これじゃ、死んじゃっているよ。

 

たぶん、日本のマスコミは、医療費無料だけ報道するでしょうが、隣の芝生には、いいことばかりではないようです。

 

プレイディみかこさんのエッセイ集、ほんとうの英国事情が知りたい方には、推薦します。