「田辺聖子 十八歳の日の記録」

田辺聖子 十八歳の日の記録」

田辺聖子

文藝春秋七月特別号

 

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川崎重工 ハーバーからみえる川崎重工のドック。わずかに覗いている黒い物体は、潜水艦です。いつも、このドックでは、潜水艦のメンテナンスをやっています。

 

いよいよ、国民健康保険へ加入です。健康保険の保険者(健康保険の運営主体)は、その時々で変遷しています。

 

入社して、最初は、政府管掌保険、そして、会社に健康保険組合ができたので、そちらに、移行。会社を退職して、第二の職場では、全国健康保険協会に。第二の職場を退職して、2年間は、任意継続。

 

そして、今月からは、国民健康保険へ加入です。加入届に協会けんぽの資格喪失証明を添付して、区役所に行って、手続きをしてきました。すると、翌日、保険証が、郵送してきました。

 

午前中に、区役所に行ったので、午後には、発送したということでしょう。1週間ぐらいかかると言っていたので、お役所仕事とは思えない、早い事務処理にビックリです。お役所も、高齢者のために頑張っています。感謝。

 

本日の余談はこれくらいにして、今月号の文藝春秋の特集は、田辺聖子の「十八歳の日の記録」でした。

 

2019年6月6日に田辺聖子が亡くなってから、伊丹市にある叔母の家で、遺品を整理していたとき、小説原稿以外の多岐にわたる書き物のなかで、昭和20年4月から昭和22年3月までの日々の記録を見つけたそうです。

 

『当時、樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大学)の国文科2年生。向学心に燃えて入学したが、ほどなく学徒動員で、伊丹の飛行機部品工場で働くことになった。その寮生活の様子から日記は始まっている。』

 

と、ここで、田辺聖子って誰?という読者のために簡単な紹介。

 

大阪出身の小説・随筆家・・・うむ、書くことが多すぎるので、ぼくが知っている代表的なことを紹介しましょう。大衆小説では、ちょっとコミカルな?恋愛小説の旗手。三部作「言い寄る」「私的生活」「苺をつぶしながら」・・・ぼくら世代の女性には、圧倒的人気。

 

NHK朝ドラ「芋たこなんきん」は、エッセイをもとにした田辺の自伝的ドラマ。

 

そして、何と言っても「新源氏物語」・・・源氏物語の現代語訳は、「与謝野源氏」、「谷崎源氏」、「円地源氏」、「瀬戸内源氏」と並ぶ「田辺源氏」といわれている。

 

最後に、文学の功績により、文化勲章を受章。これで、すごい人ということがお分かりでしょう。その人の18歳の日記・・・興味ありますね。面白そうですね。

 

『来年も、勉強して小説を書こう。私はもう、この道しか、進むべき道はない。そう、信じている。来年もまた、幸福な精神生活が送れますように。私ははたちになる。とうとう、少女の域をこえて出ようとする。さらば十九の幸多かりし年よ。

 あらゆる真実と誠意と純情をこめて、私ははてしれぬあこがれへ、心を飛揚させる。何かしら漠々としたとりとめのないたのしさが待っていそうな翌、二十歳のとし・・・』

 

大坂大空襲で焼け出され、終戦を迎え、そして、戦後混乱の中、日々の生活に追われながらも、夢を追いかけながら、生きてきた少女 田辺聖子の心の語りが、みごとな文章で綴られています。

 

年末には、単行本として出版予定らしいです。