「病気のご利益」

「病気のご利益」

横尾忠則

2020年2月10日第1刷

ポプラ新書

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明石の船具店 「歴史散歩の会」で明石の街を散歩しました。そのとき、三角屋根の営業していない船具店が、おしゃれな雰囲気だったので、スケッチしました。明石は、先の戦争で、街の80%以上が焼失したそうです。そのため、古い建造物が、ほとんどなく、寺町のお寺も、戦後、再建されたものらしいです。

 

「歴史散歩の会」って何?と思っているでしょうから、ちょっと、ご紹介します。と言うほど、大したものではないのですが、以前、ブログでも書いたのですが、ぼくが所属している「須磨オヤジ倶楽部」の一つの活動です。

 

神戸市近辺の歴史的な史跡を散歩しながら廻るという会です。会をコーデしていただいている方が、なかなか博識で、「へぇ~、へぇ~」の連発です。神戸に住んで30年以上になりますが、まあ、知らないことばかりです。

 

なんせ、入学した小学校は下関で、下関市の地理と歴史、卒業した小学校は福岡(博多)で、福岡県の地理と歴史を学びましたが、神戸市の地理と歴史は、勉強していないですからね。

 

月1回の開催。会員は、10人程度、平均年齢たぶん70歳超。ライングループで連携しています。来月は、明石城内の散歩の予定です。

 

ということで、余談のあとの横尾忠則さんのエッセー?「病気のご利益」です。

 

横尾忠則さんは、御年85歳。西脇の出身で、美術家として60年代から第一戦で活躍されています。いまも、東京都現代美術館で大規模個展を開催中。

 

また、Twitterで「WITH CORONA」シリーズとして、人物像にマスクをつけて発信しています。ぼくも、フォローしています。

 

とにかく、ぼくの印象としては、破天荒な美術家。まあ、芸術家は、多かれ少なかれ破天荒かな?ぼくのような凡人には、思いもつかない考え方をしますが、なんとなく、うなずけるのが面白い。

『ぼくにとって病気は大きなテーマである。テーマと言いても絵の主題ではない。生きていることと常につき合っているのが病気である。』

 

この御仁、とにかく、病気のオンパレード。ちょっと、横尾忠則・病気関連年表をみると、もともと未熟児で、子供のころから腹巻が離せなかったらしい。20代、指骨折。30代、ムチ打ち、両足の血行不良で入院、不眠症。40代、肋骨骨折、気管支炎で入院。50代、過労で入院、過換気症候群で入院。60代、顔面神経系麻痺で入院、帯状疱疹で入院。70代、山菜アレルギーで入院、前立せん肥大、食道裂孔ヘルニア、などなどで入院。80代になると、もう、多すぎます。

 

とにかく、すさまじい入院歴です。病室をアトリエにしていたこともあるとのこと。

 

『ぼくの作品がマルチプルであるように、ぼくはやはり多病息災型の人間である。日替わりの多病息災型である。次に何が出るか全くわからない。そんなわけで病気は嫌だけれど。同時にどちらかというと実は好きなタイプかもしれない。』

 

横尾さん、貝原益軒の「養生訓」が座右の書とのこと。ぼくも、早速、中公文庫の「養生訓」を買って、本箱に置いています。ぼくって、ほんとに、感化されやすい性格です。