「ののはな通信」

「ののはな通信」

三浦しをん

角川文庫

令和3年6月25日初版

 

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丹波篠山河原町妻入商家群 雰囲気のよい蔵造りなどの建築物の通りが続いていますが、残念ながら、閉じている店がほとんどです。面白いのは、篠山城下町ホテル「NIPPONIA」。歴史的建造物をリノベーションした分散型ホテル。流行の古民家ホテルですね。

 

ショック!

 

金曜日の夕方のことです。突然・・・・予告もなしに・・・・冷蔵庫の氷が溶けていました。うむ、何だか、冷蔵庫の中が、冷たくない。えっ、冷凍庫も・・・・。冷凍食品が自然解凍・・・・?What・・・・???

 

どうも、冷蔵庫が壊れたみたい。

 

2014年製・・・言いたくないが日立製。予告も、前兆もなし。ドアのディスプレイは表示されているので、通電はしているようだが、かすかなモーター音も聞こえない。日立のモーターが、7年で。まあ、機械ものは、当たりはずれは世の常ですが。

 

エディオンの長期補修期間内なので、補修を依頼してみるが、部品の取り寄せなど、数日かかる見込み。なお、それで、復旧するかどうかは、まったく、分からないとのこと。

 

ここで、思ったこと。現代のぼくたちの生活が、どれだけ、冷蔵庫に依存しているかということ。洗濯機は、コインランドリーがあるし、クーラーは、各部屋にあるので、とりあえず、凌げますが、冷蔵庫は、三食を食べるための必需品。

 

あれこれ考えて、2~3日の不自由が我慢できない「堪え性なしの」ぼくは、買い替えを決断しました。

 

いや、もう、2~3日の冷蔵庫の無い生活は、考えられないのが現代人なのです。

 

事件があったため、余談が長くなりました。三浦しをんさんの「ののはな通信」。全編、野々原茜と牧田はなの「手紙のやりとりの内容」、「メールのやりとりの内容」です。いわば、架空の二人の書簡集です。

 

このスタイルの小説は、初めてですが、三浦さんのチャレンジとしては、面白い。しかも、文庫本500ページの大作でありながら、読者を飽きさせない。

 

「のの」と「はな」の手紙の交換は、聖フランチェスコ高校(女子高)の二年生から始まり、同級生二人の文通は、やがて、同性の恋愛に発展していきます。女子高校での同性恋愛は、テレビドラマなどでも、ありがちなストリー。

 

「のの」は、成績の良い貧乏な家庭、「はな」は、ちょっと、ぼんやりしているが外交官の家庭。環境の異なる二人の恋愛は、「のの」のちょっとした裏切りによって終わる。

 

それから、数年、「のの」は、東大に通う大学生、「はな」も、女子大(たぶん、エスカレータ―)に通う大学生。再び、二人の文通が始まる。しかし、そのうち、「はな」の外交官との結婚話で、疎遠となります。

 

再び、数年後、「のの」は、フリーランスの雑誌のライター。「はな」は、ゾンダという国(紛争国)の大使夫人。またまた、二人の文通はエアメールで再開されます。そして、ゾンダは、内戦状態に突入しますが、さて、「はな」の運命は、如何。

 

というわけで、女子高生同士の恋愛、女子高校の様々な事情、大学生となった主人公たちの学生生活、雑誌ライターの社会へのアプローチ、そして、極めつけは、いまのアフガニスタン情勢を彷彿させる内戦国の事情・・・とにかく、てんこ盛りのモチーフに、読者は、やや疲れ気味。

 

でも、面白かった。