「ロウソクの科学」

「ロウソクの科学」

ファラデー 訳・三石巌

角川文庫

令和2年3月5日改訂20版発行

 

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珈琲館 英国屋 クリスマスイブの日、元町・三宮界隈は、久しぶりに多くの人々で賑わっていました。コロナの第6波が予見される今、束の間の自由を愉しむかのように。ぼくも、その波の中で、キョロキョロ。「珈琲館 英国屋」で一杯の珈琲も愉しむ。また、嬉しからずや。

 

 

たぶん、2021年(令和3年)の締めのブログでR(アール)。と言っても、ぼくは、無所属の浮浪雲。12月だ、1月だ、と言っても、あと、10年を生きるとしたら、120月うちの一つの月にしか過ぎない。クリスマス、大晦日、正月も、3653日(うるう年が3回)のうちの一つの日にしか過ぎないのでR。

 

何だか、とても、厭世的な気分になってきたが、一昨年、今年と、二年にわたって感染症対策で、やや行動が制限されています。やはり、友達とのバカ話の懇談ほど、愉しいものはありません。

 

漸く、少し、収束気味かと思ったら、またまた、オミクロン株というコロナのあがき。報道では、終息に向けた変異という見方もあるが、油断できません。とにかく、21世紀の科学でも、解からいことが多いということ。

 

また、そろそろ、やや緩んだ気分を引き締めて、自粛が必要なムードになってきたかな。

 

と、余談は、このぐらいにして、なんと、今回は、科学の本のご紹介です。

 

『ロウソクの身の上には、あちらから見てもこちらから見ても、興味をそそる話の種だらけでして、それが科学のいろいろな分野につながる道の多様なことは、まったく驚くほかありません。この宇宙をまんべんなく支配するもろもろの法則のうちで、ロウソクが見せてくれる現象にかかわりをもたないものは一つもないといってよいくらいです。』

 

この本は、ロンドンの王立研究所で開催された連続6回の講演の記録です。講演者は、同研究所の教授マイケル=ファラデー(1791~1867)。

 

ぼくは、人文科学が専攻でした。でも、わりと、自然科学者のエッセーなどを好んで読みます。なぜなら、言葉が平易で読みやすいのです。しかも、ぼくの知らない世界を教えてくれる。

 

あるいはは、自然科学への「あこがれ」みたいなものがあるのかも。

 

たとえば、物理学者の寺田寅彦は、有名な随筆家ですが、就職して初めてのボーナスで、寺田寅彦全集16巻(岩波書店)を買って、いまだに、読破できず、ときどき、思い出したようにページをめくります。

 

余談ですが、美智子上皇后陛下も、寺田寅彦がお好きなようで、「柿の種」を音読されているらしいです。早速、捜して読んでみよう。

 

ロウソクは、だれでも知っています。ケーキの上に刺す、あれあれ。でも、ロウソクが見せてくれる現象を、科学的に教えてくれる。なんて、愉快じゃないでしょうか。

 

ちなみに、この本は、ノーベル賞受賞者の吉野彰さんが、科学に興味を持つきっかけになった本らしいです。

 

そして、実は、この講演の対象者は、「少年少女」だったのです。

 

ということで、今年1年、ご愛読ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。それでは、皆様、よいお年を。