「太陽の季節」

太陽の季節
石原慎太郎
文藝春秋4月号

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ある図書館 コロナが落ち着いて、神戸外大の図書館が利用できるようになりました。なぜか?こういった雰囲気の中にいるとペギー葉山の「学生時代」を口ずさむのです。

 

今、世界の合言葉は、「NO WAR PLEASE」です。

 

21日で、「まん延防止」は解除するとのこと。気が早いもので、お流れになった新年会の誘いがありました。兵庫県では、まだ、毎日、2千人の感染者がいるのにどういうこと?


第5波では、千人でピークアウトしたのに、なんで!韓国と中国では、感染拡大中とのこと、なんで!もっと、説明してほしい。と、思ったら、知事が感染したとのこと。なんじゃ、そりゃあ。


ウクライナ戦争で、コロナのニュースが減ってきたので、ワイドショーでの詳細な説明がなくなりました。どうも、コロナに関する情報が不足してきました。いかに、マスコミだよりかが露呈したのです。


逆に、マスコミの恐ろしさを感じます。ぼくたちは、つねに、マスコミに左右されているのです。とすると、情報発信・受信の自由の大切さがわかります。ウクライナは、その自由を守るため戦っているのですね。


と、余談はここまでで、今週は、なんと、「太陽の季節」です。


石原慎太郎さんが、2月に亡くなりました。すると、2か月後に奥さんも亡くなりました。まさに、夫唱婦随。何て言うと、ジェンダー云々と非難を浴びそうですが、石原ご夫妻は、そういう年代なんでしょう。そういえば、ぼくの両親は、命日が同じ日です。これも、夫唱婦随。


また、余談になってしまいました。


ぼくは、「太陽の季節」を読んだことはありません。昭和30年の芥川賞ですから。ところが、4月号の文藝春秋に当時のままの印刷で再掲載されました。このページのみが、昭和30年です。

 

そのため、活字が小さく、漢字は、旧漢字で、なんとも時代を感じさせます。さらに、ページに掲載されている広告も当時のままです。

 

『宝塚ホテル 新装再開! 御宿泊:800円より』など

 

こういう企画は、ちょっと、面白いですね。

 

さて、「太陽の季節」です。2時間もあれば、読み切ってしまう短編小説です。裕福な家庭の若い男女が、クラブ、ヨット、拳闘などに興じる破天荒な生活をテーマに、若者のエネルギーを爆発させ、まったく、戦後わずか10年を感じさせません。

 

「風俗小説」、「背徳小説」ともいわれ、「危険な小説ではある」の評を受けながらではあるが芥川賞を受賞しました。

 

『彼が再びウクレレを取り上げた時、前の船から女の高い歌聲が流れた。それはイタリーの船唄だった。たちこめる靄の中に高く、或いは暗い水を低く傳わつて聞こえてくる。龍哉は楽器をそれに合わせようとしたが、すぐに止めて放り出した。彼の耳にはお伽話に聞いた人魚(サイレン)の歌が鳴っている。』

 

龍哉と英子が、夜、ヨットで戯れているシーン。「彼の耳にはお伽話に聞いた人魚(サイレン)の歌が鳴っている。」ぼくは、この表現にしびれました。