「女のいない男たち」

「女のいない男たち」

村上春樹

文春文庫

2022年2月25日第11刷

 

 

『ああ、やりきれない。どうにかしてくれ。私はもう四十七になる。六十で死ぬとして、これからあと十三年生きなくちゃならない。長過ぎる。その十三年をいったいどうやって過ごしていけばいいんだ?どんなことをして毎日を埋めていけばいいんだ?』(「ヴァーニャ伯父」より)

 

今、世界の合言葉は、「NO WAR PLEASE」です。

 

残念なお知らせです。

 

今日の朝刊の小さい記事「コロナ薬、早期承認難航」とのこと。塩野義製薬が承認申請中のコロナの飲み薬の承認が難航しているらしい。

 

いままで、コロナ新薬については、この2年間、いろいろな情報が飛び交って、悲喜こもごもとは、このことです。漸く、塩野義製薬の薬が、承認申請まで、たどり着いたと思ったら、この有様。

 

記事によると、ウイルスを減少させる効果はあるが、症状を改善させる効果が今一らしい。まあ、よく分かりませんが、ウイルスが減少すればいいんじゃないの。症状改善は、他の薬で代替できそう・・・というのは、素人考えか?

 

大方、日本(厚生労働省)は、完璧を目指すからね。薬だから、当たり前かもしれませんが、「病は気から」。ビオフェルミンを呑んで熱が下がることもあるよネ。

 

ただし、現在、国会審議中の法改正により、あらたに「緊急承認制度」ができるとのこと。どうも、5月中に、この制度の適用第1号になるかも?とのこと。

 

結局、承認するらしいが、2年以内に有効性が確認できなければ、取り消されるらしい。なんだか、分からないけれど、とにかく、日本の制度は、このような「カラクリ」が多すぎます。

 

結論からすると、どうも、5月には、コロナ新薬が、承認されるらしいということです。

 

余談は、ここまで。

 

久しぶりの村上春樹です。日本では、毎年、ノーベル文学賞の季節になると下馬評に上がりますが・・・。

 

「女のいない男たち」は、短篇集です。そして、この短篇集の最初の一作が、「ドライブ・マイ・カー」です。

 

もう、お判りでしょう。最近、アカデミー賞で話題となった「ドライブ・マイ・カー」の原作です。ぼくは、映画は、見ていませんが、原作に忠実であれば、映画として、う~む、何が面白いのか・・・・?

 

あらすじを「ばらす」と、舞台俳優の「家福(かふく)」と「家福」の車の専属ドライーバー「みさき」の車の中でのおしゃべり。おしゃべりの内容は、家福の死んだ妻の浮気相手と家福との不思議な関係についてです。まあ、それ以上は、映画を見るなり、この本を読むなり。

 

『だってそれはただの肉体じゃないか、と家福は自分に言い聞かせた。やがては小さな骨と灰になってしまうだけのものじゃないか。もっと大切なものがきっと他にあるはずだ。

もしそれが盲点だとしたら、僕らはみんな同じような盲点を抱えて生きているんです。』

 

村上春樹の小説には、かならず、傍点が付されている部分があります。たぶん、この一文が、何を意味するのかが、村上春樹の宿題なのでしょうか。