「街道をゆく 21 神戸・横浜散歩 芸備の道」
2013年7月10日第3刷発行
『神戸は横浜ともに、日本の大都市のうち、例外的に江戸期の城下町の伝統がない。西暦1868年1月1日(1868年10月、明治と改元)に開港し、都市化した。最初は、港の港長までもお雇外国人の英国人だった。さらに海岸の砂地に外国人居留地ができ、やがて山手に雑居地が成立して、都市としての原形をなした。』
「街道をゆく」は、「週刊朝日」に連載した司馬遼太郎の紀行文です。文庫本で全43巻。その21巻に神戸散歩が収録されています。全43巻を全部読むのは、大変なので、興味のある街道をつまみ食いのように読んでいます。
そして、ぼくが、隔週で参加している「歴史散歩の会」の散歩コースが、今回、塩屋でしたが、「異人館は北野だけではなく、塩屋にもあり。」ということで、紹介します。
山陽電鉄塩屋駅とJR塩屋駅は、お隣同士です。塩屋商店街は、山陽電鉄塩屋駅側にあり、僅かな店舗が狭い路地に向き合っています。
以前、仕事の関係で、この商店街にはお世話になったことがあります。懐かしい。最近、空き商店を活用して、若い人が、カフェや雑貨を商っています。ちょっと、お洒落なお店もあります。
・西向き地蔵→旧グッゲンハイム邸
地蔵さんは、東向き、南向きが、一般的であり、西向き、北向きは、珍しいので、あえて西向き地蔵と言うらしいです。
高架をくぐり、国道2号線側から、小さな踏切を渡って、階段を登ると旧グッゲンハイム邸があります。一般公開は月に1回、あとは、コンサートなどの各種イベントに活用されています。
・安養寺→岩井邸(旧岩井物産保養所)
岩井邸は、現在、利用されていません。安養寺の墓地から眺めた洋館は、なんだか、不思議な景色です。
・塩屋カントリークラブ→ジェームス山外国人住宅→岩船不動明王
塩屋カントリークラブは、ゴルフ場ではなく、ジェームス山外国人住宅の住人のための会員制のサービスセンター。レストランも併設されており、ランチメニューが気になります。
ここから、ジェームス山の急こう配を進んでいくとジェームス山外国人住宅。私有地につき一般の通り抜け禁止。ただし、山頂の岩船不動明王への参拝者は、黄色入りリボンをつけてどうぞ。
・旧ジェームス邸
ジェームス山の開発を手掛けたジェームスさんのお宅。でかい。現在は、結婚式場などで活用。塀越しに除くと、ちょうど、お庭で、若いカップルの記念撮影中でした。
『居留地(租界)は、強力な外国が、統治力の脆弱な国(この場合は十九世紀の中国や日本)とのあいだにむすんだ条約によって成立した。港市の開放と、開港場における外国人の住居権と貿易権を保証するものであった。むろん、不平等条約である。』