「風神雷神 ~下~」

風神雷神 ~下~」

原田マハ

PHP文芸文庫

2022年1月6日初版

 

雪、雪、雪

大寒波襲来で日本列島は、日本海側を中心に大雪。交通網は、大打撃。こういう時は、家で丸くなっているのが一番。朝6時、早朝散歩の公園は、ご覧のとおり。滑って転んではいけないので、流石に、写真を撮って、帰りました。

 

 

昨年末から今年に入って、同年代の訃報が続いています。極め付きは、同期入社の朋友。これは、ショック。今どき、六十代は、早すぎるでしょう。ご冥福をお祈りします。

 

ここで、先週に引き続き、「養生訓」から、養生の奥儀は、「十二少」である。

 

『食を少なくし、飲むものを少なくし、五つの味付けを少なくし、色欲を少なくし、口数を少なくし、事を少なくし、怒りを少なくし、憂いを少なくし、悲しみを少なくし、思いを少なくし、寝るのを少なくすべきである。何でも少なくすると元気が減らず、脾腎をそこなわない』

 

これは長生きする道である。

 

特に、飲み過ぎはよくない。年末に、同年代の友人が、忘年会で帰る途中、転んで鎖骨骨折と肋骨骨折。転ぶと骨折に繋がります。

 

ところが、肋骨骨折の御仁、びっくり、一月でテニスに復活。コルセットはしているが、別に痛くはないと、元気にテニスをしていました。えっ、肋骨骨折って、その程度なの?

 

風神雷神」の下巻です。最近、本を読むスピードが遅くなりました。上巻下巻、それぞれ400ページの文庫本を読了するのに3週間かかっています。まあ、これだけを読んでいるのではありませんが、どうも速読は苦手です。

 

さて、下巻では、天正遣欧使節俵屋宗達は、艱難辛苦を乗り越えて、漸く、ポルトガル、スペインを経由してローマに到着します。

 

そして、各地で王族級の歓待を受けました。宗達は、各地で、ミケランジェロ、レオナルドダヴィンチなどの西洋名画に出合い、バチカンでは、ローマ教皇に謁見し、織田信長から託された「洛中洛外図屏風」を献上しました。

 

さらに、システィーナ礼拝堂の天井画(ミケランジェロ)、その後に訪れたサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の「最後の晩餐」(レオナルド)には、圧倒されるのです。

 

『横長の卓の中央で、何かを語りかけるように、またすべてを受け入れるように、両手を広げ、思慮深いまなざしを放つその人。いとも美しく、またさびしげな表情を浮かべたその人こそは、イエス・キリスト

救い主の周りに集まっている人々は、キリストに愛されし十二人の弟子たち。』

 

グラツィエ教会で、宗達は、一人の少年絵師に出合います。その少年こそは、強烈な明暗のコントラストの「キアロステーロ」と呼ばれる技法を確立させた天才画家カラバッジョだったのです。

 

天正遣欧使節に絡めて、俵屋宗達、カラバッジョという同年代の東西の天才絵師を結び付けた壮大なアート小説。これが、原田マハの真骨頂です。