テロ特措法

福田康夫

■テロ特措法
今、政治の世界の最大課題となっている「テロ特措法」ですが、正しい法律名は、「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」という長い名前の法律です。この法律は11月1日で失効してしまい、この法律の基づいて、インド洋で各国艦船に対しての自衛隊の給油活動が行われなくなりました。
何故、このような法律が6年前に制定され、日本は、具体的に、何の目的で、どのような活動を行っていたのか、詳しく報道されません。報道されているのは、「テロ特措法」が失効する。自衛隊の給油活動ができなくなる。民主党が「テロ特措法」の延長に反対している。自民党が「新テロ特措法」を国会に提出した。
今週の動きは、福田首相小沢民主党代表との党首会談が開かれた。小沢が、「新テロ特措法」の成立に反対している。二度目の会談で、自民党民主党大連立構想が話し合われたが、民主党が役員会で拒否した。などなど、国民は、今の政治の事象のみを報道で聴くのみです。
この法律は、名称からアメリカの「同時多発テロ事件」に端を発します。9月11日、テロリストによりハイジャックされた旅客機がニューヨークの世界貿易センタービルに激突し、超高層ビルが崩れ落ちる衝撃的な映像を覚えている人は多いいと思います。その事件から6年経過しました。
この事件以降、アメリカを中心とする同盟諸国は、テロリストの撲滅に躍起となり、アフガニスタンタリバーン政権の駆逐のための侵攻、テロ支援国家としてフセイン政権のイラク戦争攻撃などは、この6年間の出来事です。日本から遠く離れた地域での出来事のため、私たちには実感がわきませんが、日本人被害者が発生していることも忘れてはなりません。
この間、インド洋では、米、英、加、独、仏などの艦船が、テロリストや武器等の関連物資の海路を通じた移動を阻止する活動に従事しており、日本は、国際貢献として、それらの艦船に対して給油活動、物資の支援活動を行ってきました。
何故、このような活動に民主党は反対するのでしょうか?一つは、この活動が国連憲章に基づく国連の決議に基づく活動ではないこと。二つは、この活動の内容が不透明であること(例えば、開示された給油量が違うこと。給油した艦船の活動が、目的外の活動であること。)。のようです。
ここまでは、国会での議論として解るのですが、ここから、小沢代表の政略として、大連立の話が出てきたことです。結局、「テロ特措法」は、ここに至るまでの道具に過ぎず、安倍前総理の辞任は、犠牲者にしか過ぎずといった感じがしてなりません。
そもそも、二大政党制を目指し、一党の長期政権を廃し、民主主義の成果の確実な実現が、民主党の目標ではなかったのか?その大いなる理想が、先の参議院選挙での民主党の大勝だったはずです。こんな民主党では、いや、小沢代表では、この理想の実現は、あり得ない。
今、私が市井の一人として、憤っているのは、国際貢献、国家・国民のため、格差是正、などと心地よい発言をしながら、裏では、政権への野望を実現しようとする民主党、いや小沢代表の思想です。
もう、何を言っているのか、私自身が混乱してきましたが、要するに、最近の政治の動きから今の政治全体に大きな不信感を感じているということです。