2008-01-01から1年間の記事一覧

「天国はまだ遠く」

「天国はまだ遠く」 瀬尾 まいこ 新潮文庫 平成18年11月1日発行 362円 『目覚めは爽快。深い深い眠りの後、さっぱりと目が覚めた。爽やかな朝、窓越しに太陽の光が見える。雲が出ていないのだろう、太陽の光はいつもより濃く、部屋の中がすっきりと…

今夜は、遅くなりそうです。

『ホコリだらけの車に指で書いた true lave my true lave 本当に愛していたんだ ・・・・ 今日をわかった また会う日が いきがいの 悲しいDestiny』 「ねえ、Destinyって、どういう意味?」A奈のママが、気持よく唄っているそばで、突然の質問を投げかける…

「銀河不動産の超越」

「銀河不動産の超越」 森 博嗣 文藝春秋 2008年5月30日発行 1381円(神戸市立図書館) 森 博嗣氏のプロフィールは、この本には書かれていません。『ウィキペディア(Wikipedia)』で調べてみると、「出身校や勤務先などの経歴は非公開」となって…

「美丘 mioka」

「美丘 mioka」 石田衣良 角川書店 平成18年10月31日発行 1500円(神戸市立図書館) また、泣いて下さい。今年は、「いま 会いにゆきます」に続いて、泣く小説に当たります。 石田衣良(イラ)氏の本を読むのは初めてですが、テレビのクイズ番組な…

「古道具 中野商店」

「古道具 中野商店」 川上 弘美 新潮文庫 平成20年3月1日発行 514円 『骨董ではなく古道具、の中野さんの店は、文字通り古道具で埋まっている。ちゃぶ台から古い扇風機からエアコンから食器まで、昭和半ば以降の家庭の標準的な道具が、店の中にところ…

瀬戸大橋線を知っていますか?

瀬戸大橋線は、瀬戸大橋を通るJR西日本とJR四国の岡山駅と高松駅を結ぶ路線の愛称です。正確には、JR西日本の宇野線(岡山駅―茶屋町駅)、本四備讃線(茶屋町―児島駅)そして、JR四国の本四備讃線(児島駅―宇多津駅)、予讃線(宇多津駅―坂出駅・高…

「鬼平とキケロと司馬遷と(歴史と文学の間)」

「鬼平とキケロと司馬遷と(歴史と文学の間)」 山内昌之 岩波書店 2005年3月23日発行 1800円(神戸市立図書館) 「鬼平」とは、ご存じ火付盗賊改方「長谷川平蔵」。池波正太郎の連載小説「鬼平犯科帳」の主人公です。文春文庫で全24巻。亡くな…

「めぞん一刻」(ワイド版コミック文庫本10巻)

「めぞん一刻」(ワイド版コミック文庫本10巻) 今年の7月にテレビ朝日のスペシャルドラマ「めぞん一刻」を見て、その面白さについてこのブログで紹介しました。その後、このコミックについて、すっかり忘れていましたが、先週、息子が貸本屋から「めぞん…

「いま、会いにゆきます」

「いま、会いにゆきます」 市川拓司 株式会社小学館 2003年3月20日発行 1500円(神戸市立図書館) 通勤の地下鉄の電車の席に座って、この本を読みながら、双眸に、あふれる涙を溜めながら、流れ落ちるのを、なんとか我慢していました。 5年前の…

甥っ子のサッカー観戦

中学2年生の甥っ子が、サッカーの試合で岡山県総合運動公園に下関から遠征に来るとのこと。私の弟の息子、私からみて、甥っ子です。弟夫婦も下関から応援に岡山に来るとのこと。弟とは2年ぐらい逢っていないかな。そこで、細君と相棒を連れて、岡山へ出か…

「生麦事件 上・下」

「生麦事件 上・下」 吉村 昭 新潮文庫 平成14年6月1日発行 各514円 9月14日(日本暦文久2年8月21日)は、日曜日で、快晴であったのでその日に川崎大師へ行くことに決めていた。マーシャルとクラークは上海から運んでこさせたアラブ系の馬をそ…

寺田寅彦博士

寺田寅彦博士は、明治11年に東京で生まれ、明治14年に高知に転居、高知において幼年時代を過ごしています。その後、明治29年、熊本の第5高等学校で英語教師の夏目漱石に師事し、明治32年、東京帝国大学理科大学に入学し、長岡半太郎に師事し、物理…

私と物理学

今年は、ノーベル物理学賞に高エネルギー加速器研究機構の小林誠名誉教授、京都大の益川敏英名誉教授、シカゴ大学名誉教授の南部陽一郎の3人の日本人が選ばれました。 まことに、おめでたいことであり、また、故湯川秀樹氏が「紙と鉛筆で研究できる」と言っ…

「勝利の競馬、仕事の極意」

「勝利の競馬、仕事の極意」 角居勝彦 廣済堂出版 2008年5月1日発行 1600円(神戸市立図書館) 角居勝彦を知っていますか?競馬を嗜む人は、殆どの方が知っていると思いますが、JRAの調教師です。デルタブルース(菊花賞馬)、カネヒキリ(ダー…

55歳の誕生日

松井秀樹の背番号と同じ数字の歳になってしまいました。「しまいました。」という表現が、一番似合う55年間です。平々凡々と、そして、行雲流水のごとき人生でした。もちろん、これから先も、大きく変わることもなく、「平々凡々」、「行雲流水」の人生を…

細君と相棒とのドライブ

秋晴れの土曜日。 私と細君と相棒の3人と1匹は、愛車「BLADE」に乗り、「与島オータムイベント2008」のオープニングイベントの見物に出発。 与島は、瀬戸大橋の中程にある島です。その島に、大きなサービス施設があり、この与島を中心として、1…

「日月めぐる」

「日月めぐる」 諸井玲子 講談社 2008年2月27日発行 1600円(神戸市立図書館) 久しぶりの時代小説です。なぜ、時代小説とか、時代劇というのでしょうか?江戸時代以前を題材とした小説や映画などを時代小説、時代劇と呼んでいます。これは、歌舞…

「砂漠」

「砂漠」 伊坂 幸太郎 実業之日本社 Jノベル・コレクション 2008年8月10日発行 933円 ぼくは砂漠についてすでに多くを語った。 ところで、これ以上砂漠を語るに先立って、 ある一つのオアシスについて語りたいと思う。 「人間の土地」サン=テグ…

明石川散策

休日の午前中は、テニスに興じるのが日課ですが、暑さもゆるみ、散歩には、いい季節となってきたので、或る休日に、相棒をつれて明石川方面を散策することとしました。 わが住む町、「西神」は、山を削って、住宅街として開発した神戸のニュータウンです。そ…

放置違反金仮納付書と弁明通知書って何じゃろ?

会社から帰宅すると、細君が、 「こんなの送ってきたよ?」 と、私にいやな予感を感じさせる封筒を見せました。封筒の中から内容物を出してみると、役所からの得体の知れない文書然としたものが2通入っています。どうも、先日、長男が駐車違反の標章を張ら…

「ひとり旅」

「ひとり旅」 吉村 昭 文藝春秋 2007年7月30日発行 1,300円(神戸市立図書館) 吉村昭氏は、2006年に亡くなられたので、氏の最後の著作となった随筆、創作ノート及び対談です。「序」は、氏の細君である津村節子さんがお書きになっています…

「Tomorrow」―(living will)

先週の日曜劇場「Tomorrow」は、「リビング・ウィル」(living will)がテーマでした。当然の脳幹出血により、意識不明となった患者が発生、そのまま意識を取り戻さなければ、遷延性意識障害、いわゆる植物状態になる可能性があるという。その患者は、「リビ…

「きみの友だち」

「きみの友だち」 重松 清 新潮文庫 平成20年7月1日発行 590円 十一歳の誕生日のプレゼントは、新しい松葉杖だった。銀色のアルミ製―「脚」の途中についているゴムのアジャスターで長さの調節できる仕組みだ。 恵美ちゃんー僕はこれから、きみと、き…

「クローバー」

「クローバー」 島本 理生 角川書店 平成19年11月12日発行 1,300円(神戸市立図書館) 小説を読むときには、「あとがき」を先に読むと、例えば、その小説が脱稿するまでの裏話を知ることができます。この小説は、当初、雑誌「野生時代」の青春小…

梅田界隈のささやかな彷徨

昨日、商用のため大阪に出張しました。その時のお話です。 午前中は、梅田アストリアビルに入居されているSコーヒーチェーンさんとの個別の商談、午後は、ホテルモントレ大阪で開催される観光事業者さんとの商談会の予定でした。 さて、何時ものとおり、神…

「正しさを貫く −私の考える仕事と経営−」

「正しさを貫く −私の考える仕事と経営−」 飯田 亮 PHP 2007年10月10日発行 1,600円(神戸市立図書館) 飯田亮(イイダ マコト)さんは、日本警備保障(現在のセコム)の創業者であり、まだ、日本では「水と安全はタダ」という時代にその常…

「西の魔女が死んだ」

「西の魔女が死んだ」 梨木香歩 新潮文庫 平成13年8月1日発行 平成20年7月15日64刷 400円 まいの手の中にあったのは確かにあの銀龍草だった。銀細工のような不思議な花。二年ぶりで見るその花は。こんな時でさえ、まいの目をくぎづけにする。 …

ゆるキャラ・チャンプ

「ゆるキャラ」って知っていますか? 「ゆるいキャラクター」の略です。商品販売用のイメージキャラクターなどと区別して、国や地方公共団体などの公共機関が行政PR、地域PR、イベントPRなどに活用するためのキャラクターのことを言うそうです。 8月…

オリンピックの歴史

折角、北京オリンピックが開幕したので、時流に乗り遅れないために、オリンピックのことについて、雑感を書き記します。 まず、オリンピック憲章について、ネットで全文を英和訳対比で読むことができます。日本国憲法と比較しても、膨大な憲章が規定されてい…

「号泣する準備はできていた」

「号泣する準備はできていた」 江國香織 新潮文庫 平成18年7月1日発行 400円 会社の机に1冊の文庫本が入っていました。平成18年7月1日の発行なので、おそらく、その頃に書店で買い求めて、机の中に入れてそのままになっていたのでしょう。文庫本…