「星の教室」

 

星の教室」

高田 郁

ハルキ文庫

2026年5月18日発行

 

 

秋雨前線と迷走台風24号のおかげで、漸く、まとまった雨が降り、気温も最低24℃ ― 最高31℃と、やや涼しさを感じるようになりました。

それとともに、この夏の疲れがでたのか?何だか、グッタリとした感じで、体に力が入りませんが、ぼくだけですか?

それでも、汗みどろになっていたテニスは、爽やかに楽しめる季節です。夏の疲れを吹き飛ばすよう老体に鞭打って、頑張りましょう。

「頑張って!」と、

テニスのあとに立ち寄っている「うどん屋のおばさん」から、エールをいただきました。

(本文に続く)

 

 

その「うどん屋」(三木緑ヶ丘の池町商店)(製麺所)

 

毎週、うどん3玉、めんつゆ3個、イモ天2個、ちくわ天2個。これが定番(夫婦2人分)。

 

テニスの仲間も、どうして飽きないのか?と、不思議がっていますが、最近、ファンが増えてきています。

 

でも、夏の間は、ときどき、冷やし中華に浮気をします。

 

店主曰く、マヨネーズとか、焼き肉のたれなどを入れても、美味しいよ、ということで、試してみました。

 

マヨネーズ〇、焼き肉のたれ△、オリーブオイル△でした。

このうどん屋さんは、麺も美味しいけど(ただし、日によって差があります)、実は、めんつゆが美味しいのです。

 

冷やし中華も、最後に残っためんつゆは、必ず、飲み干しますね。

 

「あ~、今日も、美味しかったです。」

 

と、余談はここまでで、珍しい作家さん。高田郁さん。10年以上のご無沙汰では。

 

「みをつくし料理帖シリーズ」(連作時代小説)以来ですね。

 

食いしん坊のぼくは、池波正太郎の「剣客商売」などで主人公が食べる江戸風情の食べ物が大好き。「みをつくし」もその一つです。

 

そんな高田さんの現代小説。うむ、文体は、「みをつくし」ですね。読んでいて、何となく、時代小説なのです。

 

舞台は、大阪の夜間中学校。夜間中学校に通う主人公(さやか22歳)とその周りの人たちの人間模様です。

 

日本は、義務教育制度。でも、いろいろな事情で、義務教育を修了していない人が、約170万人いるそうです。

 

そんな人たちの受け皿となる夜間中学校は、全国で35校。

 

『「夜間中学校で手に入れた文字は、もう誰も私から奪うことはでけへんの」

正子ハルモニの一言に、さやかは不意を突かれる。

ああ、とさやかは思う。

「学び」とは、誰にも奪われないものを自分の中に蓄える、ということなのか。

誰のためでもない、自分のために。』

 

 

 

夜間中学、夜間高校など、「学ぶ」ことに懸命な老若男女の存在、ぼくは、そういった苦労を知らない。

「八月の御所グラウンド」

 

八月の御所グラウンド」

万城目学

文春文庫

2026年8月10日発行

 

 

グリド甲州

新長田の「松岡商店」

午後2時から「立飲み」で、店頭で扱っているお酒(日本酒(冷・燗)、ワイン、焼酎)を愉しめます。

人気は、飲み比べセット。

まず、日本酒(冷)の三種(お任せ)で飲み比べ・・・奈良御所(ごぜ)の蔵元千代酒造の「篠峯」。これが、すっきりした飲み口でいいかも。

次に、ワイン(赤・白)セット。山梨中央葡萄酒の「グリド甲州」。これは、思わず「うまい!」

ここで、ソムリエさんから、「篠峯」と「グリド甲州」に思わぬ共通点を教えてもらいました。

(本文に続く)

 

 

酷暑の日。

 

何を思ってか、モノ好きにも、須磨寺の奥の院までエッチラオッチラ、シャツもズボンも汗でビジョビジョ。

 

そのあと、JR須磨から新長田へ。ホームから海が見えます。海が見える景色は、イイね。

 

新長田のお好み焼き「ゆき」で・ぼかっけネギ焼き・にビール。あ~、美味しい!

 

空腹とのどの渇きをいやしたので、銭湯「菊水温泉」で汗を流し、着替え。久しぶりに「電気風呂」でビリビリ。倶利伽羅紋々のおじさんも、ビリビリ。

 

サッパリしたところで、「松岡商店」へ。

 

ソムリエさん曰く、「グリド甲州」の職人さんが、「篠峯」を造っています。「えっ、道理で飲み口が似ている(ほんまかいな?)

 

と、余談はここまで。今週は、お盆は過ぎましたが、万城目学さんの直木賞受賞作「八月の御所グラウンド」です。

 

「御所グラウンド」は、京都御苑内にある野球やサッカーのできる運動場、通称「御所G」と呼ばれているらしいです。

 

この御所Gで繰り広げられる不思議な物語です。

 

大学の卒業をかけて、なぜだか、野球の試合をすることとなった主人公。試合の前に、予定した人数が揃わず、球場にいた人に声をかけて、助っ人に入ってもらいます。

 

その助っ人は、「えーちゃん」

 

試合の流れで「えーちゃん」がマウンドへ

 

『えーちゃんは球を握っている右手を突き出した。

「真っすぐ、真ん中」

バッターが驚いた顔を返したときには、えーちゃんは振りかぶっていた。

それから、足を高く上げた。

四番打者のバットが空を切り、キャッチャーミットを弾いて、バックネットに球がぶっつかった音だった。』

 

 

試合のあと、

 

『「これって、えーちゃんです・・よね?」

「これは。沢村栄治です。」』 

 

真夏の御所Gで、何かが起こっています。

 

 

「人生論ノート」

 

人生論ノート」

三木 清

新潮文庫

昭和29年9月30日発行

平成31年4月20日第百十六刷

 

 

グランフロント大阪

久しぶりに大阪に行ってきました。

梅田の「グランフロント大阪」って、2度目かな?

駐車場に車を入れたら、機械式に案内されたのですが、そのシステムにビックリ。一般的には、フロントかバックから入庫ですが、横入れなのです。

思わず、ずっと見ていました。

やれやれ、神戸の田舎者ですね。

(本文に続く)

 

大阪は、神戸と比べ物にならないほど、人が多いし、お店も、お店の品数も多いいですね。やはり、買い物は大阪の方が好いものがセレクトできます。

 

で、ぼくは、ランチがメイン。

 

グランフロント大阪北館6階の「近畿大学水産研究所」です。

名前は、研究所ですが、その実態は海鮮料理店。

そう、今や、あの有名な「近大マグロ」を提供してくれるお店です。

 

お料理は、おさかな尽くし。近畿大学水産研究所が手塩にかけて育てたマグロ、マダイ、シマアジ、ブリ、カンパチなど、みんな近代卒とのことです。

そのほかの食材も、紀州和歌山産とのこと。

平日のお昼前なので、左程、混んでいませんでした。話のタネにいかがでしょうか?

 

と、余談はここまでで、今週は、なんと哲学のお話です。

 

哲学と言えば、「ソ、ソ、ソクラテスもプラトンも♪ ニチェもコンテも♪」懐かしい野坂昭如さんのCMソング。

 

若しくは、「デカンショ デカンショ で半年暮らす♪ あとの半年寝て暮らす♪」のデカンショ節

(ちなみに、デカンショとデカルト、カント、ショーペンハウエルのこと)

 

そういえば、丹波篠山に行く途中にデカンショ街道がありますが、その由来は諸説あり。

 

って、ぼくの哲学は、この程度ですが、三木清さんの「人生論ノート」。何度か、拾い読みしたことはありますが、通読したのは初めてです。

 

「死について」「幸福について」「孤独について」など23のテーマについて5~8ページぐらいで評論しているので、拾い読みには最適です・・・・が、

 

哲学者の頭の中はどうなっているのか?????

 

ちなみに、三木清さんは、京都の「哲学の道」で有名な西田幾太郎さんの弟子になります。

 

『(「幸福について」から)

歌わぬ詩人というものは真の詩人ではない如く、単に内面的であるというような幸福は真の幸福ではないであろう。幸福は表現的なものである。鳥の歌うが如くおのずから外に現れて他の人を幸福にするものが真の幸福である。』

 

 

 

このノートは、昭和13年から「文学界」に掲載されたものを昭和16年に纏めたものであり、時代背景が随分と違いますが、哲学は普遍的なものであり、今の時代でも、手元に置く一冊ではないでしょうか。

「君のクイズ」

 

「君のクイズ」

小川哲

朝日文庫

2026年4月30日第4刷

 

 

 

牛窓神社

夏のお出かけ・・・どこに行こうか?滋賀の白髭神社・・・京都の手前での渋滞情報あり・・・あっちは、ダメだね。

では、西へ。と言うことで、牛窓へ行くこととなりました。

御朱印をいただきに、牛窓神社へ。参道を歩いていて、うむ・・・・何か、前に来たことあるみたい。

あっ、名物神主さん・・ご健在でした。

(本文に続く)

 

 

 

牛窓と言えば、オリーブ園。園内を散策して、展望台へ。

天気良好。瀬戸内海を一望。先に見えるのは、小豆島です。海は、いいね。特に、瀬戸内海は、穏やかでいい。

・牛窓しらす・を探してウロウロしていたら、岸壁の近くに・牛窓テレマーク・というバスストップ。廃校あとを利用した、マルシェやカフェです。

最近、こういった施設が多いですね。PAは、県外ナンバーでいっぱいでした。最近は、SNSで情報が拡散して、突然、観光地として人気になるようです。

 

この日のランチのメインは、・ひら・の薄造り。場所は、「魚処 魚善」

・ひら・とは、ニシン科の大型の海水魚とのこと。味はイイのですが小骨が多いため、岡山県など一部地域で郷土食として親しまれているとのこと。

 

確かに、小骨はありますが、気になるほどではなく、美味しくいただきました。

 

・あなご・の予定が・ひら・になりました。

 

と言うことで、以上が、余談です。

 

この小説は、ミステリーかな?小川哲さんとは、「地図と拳」(直木賞受賞作)以来です。

 

『「ついに大詰めです。次の問題で優勝者が決定します。さあ、初代「Q-1グランプリ」王座は三島玲央、本庄絆、どちらの手に渡るのか」

「問題・・・・」』

 

 

昔、テレビ番組で、視聴者参加型のクイズ番組が一世を風靡していた。「クイズタイムショック」「アタック25」「アメリカ横断ウルトラクイズ」などなど。

 

主人公は、三島玲央。僕は、数々のクイズ大会やクイズ番組に出場しているクイズマニア。一方、本庄絆は、頭脳明晰なタレント。

 

この小説のクエッションは、

 

『なぜ本庄絆は第1回「「Q-1グランプリ」の最終問題において、一文字も読まれていないクイズに正答できたのか?』

 

 

このクエッションを巡って、クイズで、誰よりも早く正答を導き出すロジックを考える。

 

クイズのミステリーです。

 

「問題・・・「幸福なか・・・」」「アンナ・カレーニナ」ピンポン!

 

「Q「幸福な家庭はすべて互いに似かよったものであり、不幸な家庭はどこにもその不幸のおもむきが異なっているものである」という書き出しの小説は?」

 

なぜ、どうやって、正答を導き出すか?・・・クイズの奥深さを知りましたね。

残暑、お見舞い申し上げます。

残暑、お見舞い申し上げます。

今週は、お盆休みにつき、読書雑感などは、お休みします。

なお、残暑とは、立秋から秋分の日まで、を言うらしいです。

今年は、8月7日から9月23日まで

と言うことで、皆様、暦のうえでは、立秋を過ぎたとはいえ、まだまだ、暑い日が続きます。熱中症には、くれぐれも、お気を付けください。

「成瀬は信じた道を行く」

「成瀬は信じた道を行く」

宮島未奈

新潮文庫

令和8年7月1日第1刷

 

六甲高山植物園

避暑のため、またまた、六甲山へ。出がけは、31℃・・・六甲山は、27℃。

涼しいと感じる程ではありませんね。

今回は、六甲高山植物園です。

30年ぶりぐらいかな?園内は、約1時間で見学できます。大きなカメラを抱えた同年配の方々に人気のようです。

(本文に続く)

 

 

珍しい草花があるのですが、今回は、「これ何?」

「マムシグサ(サトイモ科)」

分布は、ほぼ全国。珍しくはないのかな?ちょっと、名前が、不気味な草です。

 

池の傍は、やや風が気持ちいい、

 

入口横のカフェ「エーデルワイス」。やはり、30年ぶり。

 

カレーを食べて、店内を見ていると・・・・「うむ!」「これ何?」

数枚の水彩画が飾ってありました。よく、見ると、世良臣絵さんの原画でした。

 

世良さんは、小磯良平に師事した女流画家。御影に世良美術館があったのですが、残念ながら閉館しました。

 

ここで、世良さんの原画が見られるとは・・・!

 

ご興味のある方は、是非、六甲高山植物園とエーデルワイスにお立ち寄りください。

 

余談はここまでで、成瀬あかりシリーズ第2弾「成瀬は信じた道を行く」。

 

成瀬あかりは、大学生(京都大学)に成長し、今回は、びわ湖大津観光大使として、活躍します。

 

『京都市営地下鉄の東山駅から乗った電車は途中から京阪京津線に乗り入れて逢坂山を越える登山電車になり、上栄町駅より先は路面電車になる。

びわ湖浜大津駅で京阪石坂線に乗り換えると、電車はしばらく琵琶湖に沿って走る。

「暗くてよく見えないが、あの向こう側が琵琶湖だ」

「えっ、琵琶湖って京都からこんなに近いの?」

「近江っていうぐらいだからな」

都から近い琵琶湖は近江、それに対して都から遠い浜名湖は遠江。』

 

 

そうなんだ。ひとつ勉強になった。本を読むことで、ひとつ勉強すれば、それで、お得しました。

 

我が道を突き進む成瀬あかり。周りの人たちは、巻き込まれて慌てたり、驚いたり、でも、あかりは、決して、我儘とか、破天荒とか、ではない。

 

不思議と「愛すべきキャラ」に、ついつい、引き込まれて行ってしまいます。

 

だから、周りの人は、成瀬あかりをずっと見ていたくなる。

 

読者も、いつの間にか、引きずり込まれていくのです。

 

巻末に「大津ときめき紀行 びわ湖さんぽ」収録。成瀬あかりが、大津を案内してくれます。

 

今は、第3弾「成瀬は都を駆け抜ける」の文庫本化が待ち遠しい。

「カモナマイハウス  Come on My House」

「カモナマイハウス  Come on My House」

重松清

中公文庫

2026年5月25日第1刷

 

明石海峡大橋

久しぶりに明石海峡大橋の全景を見ました。

JRで、新長田駅から明石駅に向かう途中、夏の日のギラギラ輝く海、真っ青な空、まさに絶景です。

途中8駅、国道2号線を挟んでの海岸線は、40年前に、5年間、通勤電車から見た風景です。

その時は、明石海峡大橋は、まだ、ありませんでした。

(本文に続く)

 

 

何故、明石に行ったか?

 

おやじ散歩で長田神社界隈をブラブラ。そこから、新長田まで命の危険を顧みず炎天下を歩いて、ランチに「青森」のすじそば焼きとビール。

 

ここで、勢いがついて、呼び出し電話をかけまくり、明石の魚の棚の居酒屋で、暇なお

やじたちと合流。

なんと、午後2時から6時まで、ひたすら、ビール・サワーさらに冷酒のドリンクタイム。

 

まだ、外は明るい。

 

角打ちの「たなか屋」を覗いてみたら、泥酔お断りとのこと。残念!

 

次回にお預け、トボトボと帰路につきました。

 

あ~、疲れた!

 

と、何とも、平和な年金生活ですが、生きているのが社会貢献ということで、今日も、頑張っています((笑)。

 

グダグダ余談はここまでで、重松清さんの「カモナマイハウス」です。

 

「空き家再生ビジネス」にフォーカスした中年のベテラン不動産営業マンと彼のかかわる空き家の物語。

 

『総務省の調査によれば、全国の空き家総数は2018年の時点で849万戸だという。

「大阪府の人口が880万人ぐらいだから、空き家一軒に一人づづ住んだとしても、ほとんど入っちゃうわけですよね。」

「ブルガリアなら698万人で、デンマークなら581万人。一人一軒ずつでも、お釣りがくるぐらいだ」

ひとつの国がそっくり引っ越してきても受け入れられるほどの空き家が、いまのニッポンにはある。』

 

 

「空き家」にフォーカスされていますが、社会経済小説ではありません、重松さんですから、ここは、やはり、家族の「空き家」を巡る泣き笑いの人情小説です。

 

『一軒の家が空き家になってしまうことは、勝ち負けで言うなら、負けになる。

「だって、途中で住む人がいなくなるわけですから、誰だって、その家が空き家になることを想像してマイホームを買ったり建てたりはしません」

好きで空き家にするのを選んだわけではない。』

 

 

この家から、子供が巣立ち、定年を迎え、老後の生活を楽しみ、やがては、この家と別れる時が来ます。

 

でも、そのとき、空き家になった家には、多くの思い出が残っています。それも、走馬灯のように。