「世界でいちばん長い写真」
誉田 哲也
光文社文庫
2012年11月20日発行
552円(税別)
「藤の花」は、わが家のべランドの鉢植えに咲いたものです。スマホのデジカメで撮影、一眼レフだと、もっと、きれいに撮れるのでしょうか?
僕は、カメラのことは、まったく、知らない門外漢です。子供が小さいときには、よそ様のお父さん並みに、ビデオカメラと一眼レフカメラを抱えて、運動会などに出かけたものです。でも、ビデオは撮りっぱなしで編集していませんし、もはや、ビデオデッキがないので再生不可能。そのうち、ビデオカメラは粗大ゴミとして廃棄しました。残ったビデオテープが、クローゼットの中を占拠しています。
カメラは、一番簡単なキャノンのEOSだったかな?望遠レンズと大きな三脚も、ゴロゴロしています。カメラには、何時からのものかわかりませんが、撮り残しのフイルムが入っています。このフィルムカメラのことを、銀塩カメラと言うそうです。この小説で知りました。デジタルカメラ全盛期の時代なので、20年前の銀塩カメラは、ひょっとして、珍しいかも??
宏伸は、中学3年生、写真部員。親友の洋輔が転校してから、なんとなく、浮かない日々を過ごしていました。写真部の三好からは、毎月の写真の締め切りを迫られますが、いまひとつ、気乗りがしない、そんな宏伸でした。ある日、祖父のリサイクルショップで不思議なカメラを見つけました。
そのカメラを、宏伸は、「グレート・マミヤ」と名付けます。
どんなカメラかというと、大砲の架台に大きなカメラがのっています。そして、架台は、360度、回転する仕組みになっているのです。
『回転機構より上、グレート・マミヤの本体が音もなく、三六〇度、水平に回転し始めた。五周くらい回して、おじさんは指を離した。「さっき話したスリットカメラの原理で、でもカメラの方がこうやって、三六〇度自転してしまうと・・・・さて、写真はどんなふうに写るか、分かるかな?」僕は、ふるふると首を横に振った。そしたらどういうわけか、あっちゃんが代わりに答えた。「周りの景色、ぐるっと三六〇度が切れ目なく写る、えっれー長い、パノラマ写真でしょ」
おじさんは、パチンと指を鳴らした。「正解。これはたぶん、世にも珍しい、三六〇度パノラマ写真を撮影するための、専用カメラなんだと思うよ」
マ、マジですか・・・・・。』
そんなカメラがほんとにあるのか?ネットで「Mamiya」って検索すると、なんと、何と、マミヤのカメラはありました。でも、・・・・「世にも珍しい、三六〇度パノラマ写真を撮影するための専用カメラ」は見つけられませんでした。誰か、教えてください。
宏伸は、このカメラで撮影する被写体を探します。ありました。卒業記念撮影。さて、どんな写真が撮れるのか?ギネスブックにのる「世界でいちばん長い写真」の撮影です。
誉田哲也さんの青春小説。僕は、大好きです。還暦の小父さんが、青春小説っておかしいでしょうか?
スマホのデジカメじゃ、いい写真は無理かな?一眼レフのデジカメを買って、カメラをぶら下げて、被写体さがしでもしましょうか?