「探偵・竹花 孤独の絆」

tetu-eng2015-10-11

「探偵・竹花 孤独の絆」
藤田 宜永
文春文庫
2015年8月10日第1刷

すっかり秋めいてきました。

先々週に買ってきたコスモスが枯れてしまいました。植木鉢が小さかったので、植え替えをしてあげればよかったと反省しています。かわいそうなことをしました。

「淡紅の秋桜が秋の日の♪ 何気ない日溜まりに揺れている♪」とは、山口百恵秋桜(コスモス)の一節です。コスモスを見ると、この歌を口ずさんでいますネ。若いときに歌った歌は、よく、覚えています。

「探偵・竹花」シリーズ。

恥ずかしながら、藤田宜永さんの小説は、数冊読みましたが、恋愛小説の作家だと思っていました。奥さんの小池真理子さんとともに恋愛小説で直木賞を受賞したはずですが、実は、推理小説、探偵小説の執筆の方が多かったのですね。思い違いをしていました。

ぼくは、一人の作家に固執しないで、様々な作家の本を手当たり次第に乱読するので、どうも、そのへんが疎くなります。

世の中では、この季節になると「ハルキスト」が話題になりますが、今年も、村上春樹さんのノーベル文学賞はお預けでした。そういえば、村上春樹さんは、芥川賞直木賞も、受賞していないので、賞には縁がないのでしょうか?

「探偵・竹花」シリーズは、今のところ、シリーズ6まで出版されているようです。「孤独の絆」は、シリーズ4です。ちょっと、変わった探偵小説である証拠に、「竹花」は、還暦を迎えた探偵と言うことです。

『ここ1年で、やたらと唇がかさつくようになった。胡散臭く思われることの多い探偵の唇が青紫に変色し、ささくれ立っていては余計に印象が悪い。
ボイスレコーダー、デジカメ、手袋、携帯電話・・・・探偵の七つ道具に、老眼鏡が八年前に、そして去年の冬からバナナ味のリップクリームが加わったのだ。バナナ味にしたのは偶然だが、バナナが貴重品だった頃の思いが無意識に働いたのかもしれない。
唇のかさつきは加齢によるものだろう。年が明ければ、竹花は還暦を迎える。』

なんとも頼りなさそうな探偵さんですが、独り者の気ままな暮らしをしながら、依頼人から依頼された事件を解決していく。ときには、ハードボイルドな一面も見せる。このキャラクターが、何とも、おもしろい。
このシリーズ、もうすこし、読んでみたくなる。そんな読了後の爽快感、いや、安心感、いや、また、竹花に遭ってみたいと思わせる、そんな作品でした。

うん、竹花シリーズも読みたいが、それよりも、ぼくの机の上には、早く読んでほしいと、読んでくれる順番を待っている本が、十冊以上はあります。まったく、買わなければいいのにと思うのですが、本屋で見ていると、本が手を挙げて、アピールするので、つい、買ってしまいます。

最近、甲南チケットで図書カードを買うと3%お得であるということを友人のHさんからご教授いただきました。早速、5千円の図書カードを購入、150円のお得です。毎月買っている文藝春秋が880円。年間1万560円なり。2年間で、1冊おまけという計算になりますね。

うむ、小っちゃいことからコツコツです。年金生活が、もう、すぐですから、習慣付けを心がけなくっちゃね。