「紀貫之と古今和歌集」

紀貫之古今和歌集

川村裕子監修

ほるぷ出版

2023年2月7日第一刷発行

 

花まつり

太山寺の「花まつり」お釈迦様の誕生日は、4月8日。でも、月遅れの5月8日の「花まつり」。って、何をするのか?と思ったら、「採燈大護摩」。詳しくは、本文へ。

 

 

コロナの5類変更に伴い、太山寺も、今まで休止していた行事を再開し始めました。4年ぶりだそうです。

 

まず、5月8日。月遅れの「花まつり」。「花まつり」といえば、お釈迦様に甘茶をかけて願い事をするのかと思っていましたが、「採燈大護摩」でした。

 

「採燈大護摩」ってなに?

 

まず、山伏が、三身山の太山寺へ入山を申し入れ。そこから、問答、法弓、法剣、法斧、願文の儀式を経て、護摩壇に着火、願文を書いた護摩木を投げ入れます。

 

この日は、風が強かったので、煙、火の粉が舞っていましたが、山伏の方が、水を掛けながら火勢をコントロールしていました。

おおかた、燃え尽きたところで、護摩壇を解体して、「火渡り」。ぼくも、家内安全、無病息災を祈念しながら、裸足で火渡りを体験。熱いかと思いましたが、火傷もなく、無事、通過。

 

次に、5月12日。「練供養」。正式には「聖衆来迎練供養会式」。お釈迦様と菩薩が、現世に迎えに来て、極楽に導いてくれるという儀式らしいです。

 

可愛く扮装したお稚児さんを先頭に、菩薩の仮面をかぶって扮装した人たちが、阿弥陀堂の回廊を練り歩きます。

奈良の当麻寺の「練供養」は、テレビで放映されますが、「練供養」の行事を行っているお寺は、全国でも、十数箇寺らしいです。

 

来年は、菩薩に扮する役に志願しようかな。

 

以上、余談が長くなりました。この本は、図書館の児童書コーナーにありました。「ビジュアルでつかむ!古典文学の作家たち」シリーズの一冊です。

 

この本の造りは児童書ですが、クラシックビギナーの大人が、まず、「紀貫之ってどんな人かな?」って、読んでみるのに最適だと思います。

 

紀貫之、何がすごい人かと言うと、

『春になると桜が咲き「うれしいな」と思います。秋になったら虫の声を聞いて、「さみしいな」と思います。

誰かに教わったわけでも、決められたわけでもないけど、私たちは季節の移り変わりを見て、同じようにうれしくなったり、さみしくなったりします。

でも実は、こんな心の動きのお手本を作ってしまった人がいるのです。

その人の名は紀貫之。』

 

どうやって、やったのか?「古今和歌集」の編纂するとき、四季の和歌は季節順に、恋の和歌は恋の進行順に並べたらしいです。「古今和歌集」が読み継がれていくにつれて、私たちは、いつの間にか花鳥風月の感性を養っていったということです。

 

『桜花 散りぬる風の なごりには 水なき空に 波ぞ立ける 紀貫之

 

なお、この本、定価三千円。図書館で借りてください。