「子規紀行文集」

「子規紀行文集」

榎本一郎編

岩波文庫

2019年12月13日第一刷発行

 

藤の花

今年は、わが家の植木鉢の藤の花が咲きませんでした。昨年は、ベランダの花台から花の房が下がっていたのですが、草花にも、その年のコンディションがあるのでしょう。きちんと、施肥をして、来年に期待します。

 

時事問題

 

広島サミットが開催されています。

 

驚いたのは、ウクライナの大統領が参加するという電撃発表。

 

クワッド首脳会議も同時開催されるということ。

 

サミットの調整は、日本外務省が担っているとすれば、日本外交も、頑張っていると評価できると思います。とかく、マスコミは、貶しこそすれ、評価するということがないのは、マスコミの性でしょうか?

 

この一連の動きが、ロシア、中国にも水面下で調整されているとすれば、何か、大きな動きにつながるような気がします。

 

少なくとも、インドが中立的な立場から、仲介する意向があるようなので、ここは、インドに期待するのもいいかも。

 

インドは、ガンジー以来、「非暴力、非服従」。西欧諸国とも一定の距離を保ちつつ、覇権主義にも批判的。まさに、第三極のグローバルサウスの代表的な立場です。

 

広島サミットを契機として、ウクライナ戦争が終結に向かうことを祈念します。

 

余談は、ここまでで、今週は、ちょっと毛色が違って「子規紀行文集」の紹介です。

 

子規とは、正岡子規。紀行文とは、旅行の記録みたいなものです。

 

正岡子規といえば、伊予松山出身の俳人。今、はやりの近代俳句の創始者というイメージが強いと思います。ちなみに、子規以前は、俳句ではなく俳諧といっており、俳人ではなく俳諧師と言っていたらしいです。松尾芭蕉は、俳人ではなく、俳諧師ですね。

 

そんな正岡子規、実は、俳句だけではなく、短歌でも革新的な存在でした。ちなみに、短歌と言うようになったのも、子規以後です。それまでは、和歌と言っていました。

 

さらに、子規は、病床に就くまで、旅を愛して多くの紀行文を残しています。その紀行文を集めたのが「子規紀行文集」です。

 

有名なものが、「はてしらずの記」。松尾芭蕉の「奥の細道」と同じ行程を巡る旅です。

 

『八日、川船にて最上川を下る。此舟米穀を積みて酒田に出だし、又酒田より塩乾魚を積み帰るなり。下る時、風順なれば、十八里一日に達し、上がる時風悪しければ、五日六日をも費やすといふ。乗合ひ十余人、多くは商人にして結髪の人亦少なからず。舟大石田を発すれば、両岸漸く走りて杉深き木立、家たてるつつみなど蓬窓次第に面目を改むるを見てか、見ずにか乗合の話声かしまし。

秋立つや 出羽商人の もやひ船

草枕 夢路かさねて 最上川 ゆくへもしらず 秋立ちにけり』

 

なぜ、今、正岡子規なのか?その意味が、来週、明らかになります。