健康医学書として、「養生訓」その2
松田道雄訳
2020年1月25日改版
一掃百態(模写)
先々週、渡辺崋山の「一掃百態」についての記事を書きましたが、どんなものか?というと、模写のような風俗画が百態ほど描かれている紐綴じの古書です。
まあ、勢いで買ってしまいましたが、よくよく、眺めていると、面白くもあり、面白くもない。飛んだ無駄遣いでした。ぼくには、よくあること。と言うことで、本箱の肥やしになっています。
先週は、出先で車の故障(バッテリー)のため、帰宅が遅くなり、突然の休刊となりました。陳謝。
それにしても、JAFには、親切にしていただきました。2時間程度での駐車でバッテリー異常は、あまりないそうですが、とりあえず、充電して復旧。そのまま、1時間ぐらい走行すれば問題ないとのことでした。やれやれでした。
と言うことで、今年の古典に親しむ第一弾の「養生訓」を漸く読了しました。なんと、読み始めて4か月です。小説ではないのでキャストやストーリーなどを忘れるということがないので、別段、不都合はありません。
なぜ、「養生訓」に興味を持ったか?それは、横尾忠則さんの「病気のご利益」が、キッカケです。病気のデパートを自称する横尾忠則さん。愛読書が、「養生訓」らしいです。そこで、それなら、読んでみようと思ったわけです。
「養生訓」は、巻一~巻八まで、飲食、飲酒、飲茶、慎色欲、五感、二便、洗浴、慎病、択医、用薬、養老、育幼、鍼、灸法と生活全般、事細かく指南します。
たとえば、食べてはいけないもの、魚の食べ方、季節の食べ物、食べる量などなど、飲酒についても同様。色欲は慎むべし。大便小便のよしあし。お風呂の入り方、医者の選び方、薬の飲み方、とにかく細かい。
とても、書かれているとおりの生活など、出来るはずもない。しかし、益軒先生、どうも、実証していたらしいです。とにかく、「身を慎み、命を大事にするのは、人間最大の義務である」と、単なる健康アドバイスだけではなく、そこには、哲学があります。
とくに、「巻八 養老」から
『心を静かに
老いの身は、余命も長くあるまいと思って、若い時と違った心配もあろう。心を静かに、雑事を少なくして、交際も少なくするのが、からだに適してよかろう。これもまた老人の健康法である。』
『老後を楽しく
老後は、若い時の十倍の早さで時が過ぎていく。一日を十日とし、十日を百日とし、一月を一年として楽しみ、むだに日を暮してはいけない。いつも時・日を惜しむべきである。心を静かに従容として残った月日を楽しみ、腹をたてず欲を少なくして、生き残っているからだを養うべきである。』
古希を迎えて、人生百年時代を如何に生きていくか?益軒先生もビックリするとんでもない命題ですが、「養生訓」を身近において、時折、紐解くことにしましょう。