つい最近、思うこと(2)

眠れる獅子

先週、「つい最近、思うこと」に厚生労働省村木さんの事件と尖閣列島の問題について、書いたところ、そのあと1週間の間に、この2つの事件が、とんでもない方向に展開してしまいました。テレビのニュース、新聞などマスコミは、この2つの事件の報道に染まってしまっています。しかも、いずれも検察絡みということで、どうも、小沢一郎検察審査会の問題から、検察庁が時の話題となっています。
このことは、単純に言って、良いことなのか、悪いことなのか?そもそも、検察庁って、何する役所?警察とどこが違うの?という疑問を持つ人は多くいるはずです。それ程、一般市民にとっては馴染みのない役所のはずです。それでも、キムタクのテレビドラマの「ヒーロー」や2時間ドラマスペシャルの「赤カブ検事」などで、随分と世の中に知れ渡ったようにも思えます。今週ぐらいには、池上彰さんが、きっと、教えてくれるでしょう。まあ、良い、悪い、は別として、社会の仕組みとして知っておくことは必要ですが、決して厄介になりたくない役所であることは確かです。
大阪地検特捜部の前田検事の証拠隠滅容疑での逮捕。これは、検察にとっては、かなりショッキングな事件だと思いますが、「秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)」(「秋霜烈日」とは,秋におりる霜と夏の厳しい日差しのことで,刑罰や志操の厳しさにたとえられています。)のバッジをつけて、記者会見に臨む最高検次長検事伊藤さんの表情は苦渋に満ちていました。検察官といえども、行政官であり、そう言った意味では検事総長以下の指揮命令権に従うことになります。これを「検察官一体の原則」と言って、「裁判官の独立」と対比して考えられています。そのため、この問題は、検察組織をゆるがす不祥事となる可能性があります。
また、尖閣列島問題では、中国の漁船の船長が、29日の拘留期限前に処分保留で、釈放されました。中国側の厳しい対応に白旗を上げた格好になってしまいました。それもこれも、検察の判断だと政府はいいますが、前述のとおり、検察も行政の一部であり、官邸から指示のあったことは明々白々です。政府は、国内で恰好をつけずに、国外に向けて「しっかりした格好」をつけて欲しいものです。
1800年代の「眠れる獅子」は、列強の食い物にされて、2000年代の「幼稚な大国」は、世界との融和を考えられず領土拡張の時代錯誤に陥っています。東シナ海尖閣列島南シナ海の西沙群島(ベトナム)、南沙群島(フィリピン)。すべて、太平洋に向けての領海の拡大です。中国軍部は、アメリカに対して太平洋を二分割しようという提案をしたそうです。チャイナ―ジョークではなく、本気なのかもしれません。
強大な軍事力と経済力、そして、世界の常識からみれば幼稚な国家体制のアジアの大国に対して、「日の昇る国」は、どうお付き合いをするのでしょうか?そういえば、民主党は、親中国政策ではなかったのでしょうか?小沢一郎元幹事長が、大規模な訪中団を組織して、ご満悦だったのは、つい先頃のことだったと思います。その民主党政権下でのこの出来事に国民は唖然とさせられます。「幼稚な大国」対「未熟な政権」の小競り合い(小競り合いにもなってないか?)が、日本国および日本国民にとって、名誉と利益をもたらす結果になることを祈るのみです。